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Atelier Eren/アトリエ・エレン ヴァイオリン製作とファンタジーを綴る日記

【アンティーク】懐中時計の歴史 17世紀とエナメル

懐中時計の歴史 17世紀とエナメル

『今回は懐中時計の歴史編Vol.1です』

現代ではあまり使われることがなくなった懐中時計。なんとなくアンティークでお洒落なイメージが強いですが、この「懐中時計」っていつ頃から存在しているのだろう??と思ったので、ちょいとまとめてみました。

起源としては16世紀のドイツ

諸説ありますが、懐中時計の始まりは16世紀のドイツと言われており、この当時の主な生産地は「ドイツ」「フランス」でした。ちなみに懐中時計ができた当初は「鍵師」が「時計技師」を兼ねていたことも多かったようです。フランスを中心に「鍵師」「宝石技師」といった手工業ギルドも多く存在していて、このようなギルドから「時計メーカー」は生まれたと言われています。

時計と言えばスイスなんじゃないの??

現在では時計と言えばスイス!というイメージですが、「スイス」の時計産業が発展したのはいつごろなのでしょうか?

-発展したのは16世紀

16世紀のフランスでは「ユグノー戦争」というカトリックVSプロテスタントという宗教戦争がおこり、結果はプロテスタントが敗北してしまいます。フランスには多くのプロテスタント時計職人がいて、故郷を追われた職人はスイスを中心とした国々に移住していきました。

その移住先のスイスで時計職人の本領が発揮され、世界でも有名な産業に発展してきます。

17世紀の懐中時計たち

時刻を確認する「時計」として実用できるレベルのものが現れ始めたのは主に17世紀以降だと思われます。現在も残っているこの年代の懐中時計は「フランス・スイス」で生まれたものが多く、「エナメル」「彫金」といった技術が多用されているのが特長です。


こちらは17世紀にフランスで作られた懐中時計。懐中時計ができて間もない頃は「精度」がかなり残念な有様だったので「分針」がありません。付けていてもしょうがないレベルだったのです。初期の懐中時計は工芸品としての要素が大きく、クラシカルな「彫金」が施されているものが多いです。


17世紀の懐中時計は裏面に「エナメル彩」で様々な描かれています。「エナメル彩」で描かれた作品はルネサンスの魅力を感じることができます。「エナメル彩」とはどんなものなのかというと、ガラス性質のある粉で絵を書く芸術であり、低温で焼き付けることで独特の雰囲気を醸し出します。ちなみに日本では「七宝」と呼ばれています。

主に「エナメル彩」での懐中時計は「フランス・スイス」製のものが多いです。ちなみに上記2つの懐中時計の写真は共に裏面です。表面はというと、、


こんな感じになっています。シンプルなデザインですが、どこか丸みを帯びたフォントがオシャレです。

この年代の懐中時計には1時〜2時の間に謎の穴が空いていますが、これは「ゼンマイ穴」です。19世紀の半ばに「竜頭(時間調整時にひっぱるやつ)」が発明されるまで懐中時計は全て「鍵巻き式」となっており、小さな鍵を鍵穴にさして回すことでゼンマイを回していました。懐中時計によっては裏に鍵穴がある場合があります。

エナメル彩の発展系


エナメル彩を使った懐中時計の発展系として、音で時間を知らせてくれる「ミニッツリピーター」を搭載した写真のような時計があります。この懐中時計はアブラアム=ルイ・ブレゲ(1747-1823年)という天才時計職人が発明し、多くのメーカーで採用された「丸みを帯びたアラビア数字=ブレゲ数字」「先端に丸い穴が空いた針=ブレゲ針」が採用されています。「ミニッツリピーター」もブレゲの発明です。


詳細はわかりませんが、この時計の中身はこの様な機構になっています。

まとめ

・17世紀はエナメル彩をつかった「絵画的工芸品」としての懐中時計が流行。

・主に「フランス」「スイス」製の時計が世界に流通。

・天才時計技師「ブレゲ」が発明したギミックを各メーカーが採用、世界に広まる。

 

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