水には大きく分けて「硬水」と「軟水」の2種類が存在し、どちらの水を使うかによって紅茶の味は大きく変化します。
日本においては「軟水の方が紅茶に適している」という見解が一般的ですが、果たしてこれは正しいのでしょうか?
今回は硬水・軟水のどちらが紅茶に向いているのか今一度確認してみようと思います。
目次
硬水と軟水 どちらが紅茶向き?
硬水と軟水の区別は水1000ml中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値「硬度」によって決められます。
硬度が120mg/l 以下であれば「軟水」。120mg/l 以上であれば「硬水」となります。
硬水に関して
硬水は金属イオンを豊富に含む水です。
ミネラルを豊富に含むため、不足しやすい栄養素を水で補充できるというメリットがあります。
しかし、硬度が上がれば上がるほど苦味や独特の風味は増し、マグネシウムの影響でお腹がゆるくなりやすいというデメリットも発生します。
また、軟水と比べると「香り」が強いため、繊細な料理には向かず、基本的には紅茶にも向いていません。
軟水に関して
金属イオンを多く含まない水「軟水」は紅茶向きの水であるといえます。
基本的に無味無臭ですから、紅茶の香りを損なうことはなく、胃にも優しい為、体への負担も少ないです。
水によってミネラルを体に取り込むことはできませんが、子供やお年寄りでも安心して飲むことができます。
硬水が適している紅茶
紅茶には軟水が向いている。概ねこれは正解だといえます。
硬水の金属イオンは茶葉の繊細な成分を殺してしまうので、軟水が紅茶向きなのは明らかです。
しかし、全ての紅茶に軟水が適しているわけではなく、硬水の方が合う紅茶も存在します。
その最たる例がミルクティーです。
ミルクティーは硬水向き?
イギリスとインド。紅茶で有名なこの2国は硬水の地域でありながらも、よく紅茶が飲まれています。
その理由はミルクティー(チャイ)として飲んでいるからです。
軟水でもミルクティーは美味しく飲めますが、ミルクの種類によってはミルクが持つ特有の臭みが残ります。
しかし、硬水は水に含まれるミネラルがミルクの臭みを消し、さらには味を引き締めてくれます。
一般的に硬水は紅茶には向かない水とされていますが、実はミルクティーには向いているわけです。
ダージリンやアッサムも硬水向き?
インドで生産されているダージリンやアッサムも実は硬水向きとされています。
ダージリンに関しては軟水だとどうしても薄くなりやすく、アッサムはそもそもミルクティー向きに作られているため、硬水との相性は良いです。
ただ、これは好みの問題な気がします。
ダージリンに関しては硬水を使用することに拠って繊細な香りが損なわれてしまうこともありますし、個人的にはアッサムであっても軟水の方が合っている気がします。
茶葉との相性や品質にも左右されますが、ストレートで紅茶を飲むのであればやはり軟水が適しているのではないでしょうか。
プチまとめ
硬水はミルクティー(チャイ)との相性がよく、美味しく飲めることが多い。茶葉によってはストレートティーでも飲みやすい。
軟水が適している紅茶
軟水が適している紅茶はほぼ全ての紅茶といってよいでしょう。
インドのダージリン、アッサム、ニルギリ。スリランカのウバ、ディンブラ、ヌワラエリアなどなど。
軟水、特に日本の水道水は紅茶を美味しく淹れる事ができる理想的な水だと言われており、どの茶葉を使っても美味しい紅茶を飲むことができます。
軟水は抽出能力が高いため、品質の良い紅茶であればあるほど香りを引き立ててくれます。
人によっては硬水で紅茶の個性を無くした方が飲みやすいという方もいますが、紅茶本来の良さを楽しむのであれば、やはり軟水がベストな選択です。
ちなみにミネラルウォーターやナチュラルウォーターを使って紅茶を淹れる人もいますが、これらの水は沸かして飲む前提の水ではないため、逆に味が落ちます。
汲み立ての水道水を使うのが結局のところ最強なわけです。
最後に
硬水と軟水。
紅茶に合うのはどちらなのか?に対する答えはやはり「軟水」です。
硬水もミルクティーやチャイとは相性が良いですが、茶葉の個性を消して飲みやすくしている状態ともいえるため、本当の意味で紅茶に合う水とはいえないと思います。
折角世界で最も紅茶に適した水を無料で使える環境にいるのですから、軟水で抽出した香り高い紅茶を楽しむのがベストな選択でしょう。
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