【時計用語】マニファクチュールとは?

腕時計を調べていると「マニファクチュール」という単語が出てくることがあります。時計に詳しくない人にとっては「マニファクチュール」ってなんだ??と、疑問を持つと思います。
そこで今回は「マニュファクチュール」について簡単に説明します。

腕時計 マニュファクチュール

マニュファクチュール

マニュファクチュールとはケースも機械も自社で作り、ムーブメントの組み立ても自社で行うブランドのことを指します。いわゆる「自社一貫生産」を行っているブランドです。ちなみにマニュファクチュールという言葉はフランス語の”Manufacture d’horlogerie”から名付けられました。

ただ、時計界においてのマニュファクチュールの定義は曖昧であり、一部のパーツを外部供給に頼っているブランドもマニュファクチュールと呼ばれています。どこまで自社で作ればマニュファクチュールであるのかがブレているのです。

完全マニュファクチュールについて

現在は曖昧になっているマニュファクチュールブランドをより正確に分けるために、ゼンマイやネジに至るまで”全てのパーツ”を自社生産しているブランドを「完全マニュファクチュール」と呼ぶことで区別しています。

そして、完全マニュファクチュールに分類されるブランドは極僅かしか存在しません。

例えば、革小物を作るとしましょう。手作りで作られている商品でも、金具までは自分で作らず外部から仕入れると思います。その金具の部分までを作ってしまうのが「完全マニュファクチュール」ブランドなのです。

腕時計 マニュファクチュール

ひげゼンマイの製造が可能かどうかがポイント

ひげゼンマイというパーツは機械式時計の部品においてもっとも製造が難しいパーツです。製造ノウハウを持つブランドは限られており、実に機械式時計ブランドの9割以上がスイス:ニヴァロックス社のひげゼンマイが使われています。

つまり、たとえマニュファクチュールを謳っているブランドでも、細部まで確認すると「どの時計も同じひげゼンマイ」が使われているというわけです。

現在「ひげゼンマイ」まで自社生産しているブランドは以下の通り。そして、これらのブランドこそが完全マニュファクチュールと呼ばれる存在になります。

日本:SEIKO / シチズン

ドイツ:ランゲ&ゾーネ

スイス:H・モーザー など

こう見ると、日本の技術力ってやっぱり凄いんだなと再認識できますね。

マニュファクチュールのメリットとデメリット

メリット

マニュファクチュールブランドはムーブメントからパーツまで自社一貫生産していることから、時計の製造に自由度があります。ムーブメントにETAなどの他社製ブランドを採用している場合、どうしてもそのムーブメントに沿った厚みやリューズの位置にしなくてはいけないという制約がありますが、マニュファクチュールブランドは一からオリジナルの設計ができるため、自由な時計作りが可能です。

デメリット

マニュファクチュールのデメリットは時計設計の自由さが製造コストを上げてしまうことです。つまりマニュファクチュールは「価格が高い」です。

ただ、大量生産品でない商品はどんなものでも安くはないかなとは思います。

増えゆくマニュファクチュールブランド

以前は高い技術力や資金がなければ成り立たなかったマニュファクチュールですが、2010年に「ETA供給問題」というスイスの大手ムーブメントメーカーがムーブメントを提供しなくなるという自体が発生したこともあり、自社で開発する必要性が増しました。

その影響からか、近年マニュファクチュールブランドがどんどん増えてきています。

マニュファクチュールブランドは、単に工場で量産され、市販のムーブメントを取り付けただけの時計とはまるでクオリティの違う「拘り」のある時計を作り続けている一流ブランドです。

しかし、値段も一流。一般庶民には正直手が出ない価格となっています。

ランゲ&ゾーネ
出典:https://www.alange-soehne.com

私がいちばん好きなブランドである「ランゲ&ゾーネ」の腕時計。「ランゲ&ゾーネ」はムーブメント製造でもっとも難しいとされている「ひげゼンマイ」も自社で製造している希少な完全マニュファクチュールブランドです。写真のモデルは「ランゲ1」と呼ばれる時計で、アシンメトリーの文字盤デザインがとっても魅力的です。

その他のマニュファクチュールブランド一覧

・パテックフィリップ
・ヴァシュロンコンスタンタン
・オーデマピゲ
・ランゲ&ゾーネ(完全)
・ブレゲ

↑ここまで世界5大時計メーカー
・ロレックス
・シチズン
・ブライトリング
・ジャガールクルト
・グラスヒュッテオリジナル
・ゼニス
・ピアジェ
・ショパール
・ジラールペルゴ
・パネライ  など

まとめ

マニュファクチュールブランドは腕時計が好きな人にとっては憧れの存在でしょう。ただ、マニュファクチュールじゃなければダメなんてことは一切なく、自身が気に入った時計を選べばよいと思います。

結局はロマンや拘りの世界になりますしね。

ただ、歴史的・伝統的なブランドの拘りや、品質の高さはマニュファクチュールブランドならではの価値があります。実際買うことはなくても、知識として持っておくと腕時計に対する見方がちょっと変わるかもしれません。

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