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ヴァイオリン製作とパラレルキャリア

ヴァイオリン製作 パラレルキャリア

ヴァイオリン製作って儲かるの?稼げるの?

これは楽器を作っている方なら、よく聞く言葉でしょう。

ヴァイオリンに限らず「何かを作る人」であれば儲ける以上に大事にしていることがあると思うので、この言葉を投げかけられると少しイラっとする方もいるのではないでしょうか?

とはいえ、製作を職業とするのであれば、最低限生活できるだけの稼ぎが必要なことも確かです。

今回はアマチュアではありますがヴァイオリンを作っている私がパラレルキャリアについて考えてみました。

ヴァイオリン製作だけでは厳しいのが現実

誰もが想像の付く事だと思いますが、ヴァイオリン製作だけで一般的なサラリーマンと同等の収入を得ることは非常に厳しいと言わざるを得ません。

理由としては、新作ヴァイオリンは購入層がかなりニッチだからです。

プロヴァイオリニスト

まず、プロやハイアマチュアの方。

一般的にオールド楽器を買う人が多いです。

新作ヴァイオリンには新作の良さがありますが、総合的な「音」に関しては時を重ねて艶やかな響きを得たオールドヴァイオリンには敵いません。(将来的にはわかりませんが)

受賞歴があったり、知名度の高い製作家でなければ、興味を持って機会はどうしても少なくなります。

ヴァイオリン 初心者

では、逆に初心者になら買ってもらえるのか?

これはマーケティング次第だとは思いますが、大半の初心者は文京楽器「ピグマリウス」や「カルロジョルダーノ」といった量産型ヴァイオリンを買う傾向にあります。

最初から高い楽器を買うのは躊躇われますし、そもそも製作家が作った新作ヴァイオリンを買うという発想になかなか至らないと思います。

と、なると初心者でもなくプロでもない方が一番買ってもらえそうな層にはなりますが、これは結構ニッチです。

また、欧州とは異なり日本はクラシックに限らず音楽(芸術)の文化が一般人にまで浸透している国ではありません。

誰だって興味がないモノを買うことはないため、製作だけで生計を立てるのは自ずと厳しくなります。

修理で食べていくのが基本

販売一本で食べていくのは困難。ということで、多くの職人さんや学校卒業生は弦楽器店の修理部門に入ったり、修理をメインとして独立します。

ヴァイオリン製作 魂柱立て

実は日本でヴァイオリンを趣味にしている方は想像以上に多く、修理に関しては需要があります。

セットアップに駒調整、魂柱調整、毛替え。

プロ・アマチュア・初心者問わず、弦楽器はメンテナンスが必要です。

新作ヴァイオリンの販売はパイが限られますが、修理は顧客の幅が広いため、技術があれば一定の収入を得ることは可能だと思います。

ただ、修理をメインにすると修理が忙しすぎて製作する時間が取れなくなってしまうと聞きます。

弦楽器工房に勤める場合、「仕事量が多い、休みが少ない、給与が低い」といった状況になる事が多く、仕事が終わってから楽器を作る気力が湧かないようです。

独立した場合は仕事量を調整する事で製作する時間も取れると思いますが、やはり修理に携わる時間がどうしても多くなるため、自ずと製作ペースは下がります。

修理よりも製作がしたい場合

食べていける可能性が高いのは修理であることはわかった。でも、私は修理じゃなく製作がしたい!

と、いう場合は製作をメインに活動している製作者から習うなり弟子入り(今は難しいかも)なりして製作の技術に特化させて経験を積んだ方がいい気がします。

ただ、その場合は「修理」ルートを捨てることになるため、弦楽器に関する仕事だけで日々を生きる収入を得るのは難しくなります。

そこでパラレルキャリアを考える必要があるわけです。

製作に特化する場合、地道に実績を積んでプロにならない限りは他の仕事をしながら製作を続けることになります。

パラレルキャリア:ピーター・ドラッカーが提唱したこれからの社会での生き方のひとつ。主に現在の仕事以外の仕事を持つことを指す。

要するに確実に収入を得られる仕事をしながら弦楽器の勉強をするという手段です。

メインキャリアと弦楽器製作の親和性が高ければ、工房の修理部門に就職するよりも経済的・時間的に余裕を持ちながら製作活動を行うことができるため、決して悪い選択肢ではありません。

弦楽器製作と相性の良い仕事

さて、では弦楽器製作と相性の良い仕事は具体的にどんな仕事なのか。

結論からいうと残業のない仕事、もしくはフリーランスになれる仕事です。

パラレルキャリアの選択肢1.契約社員やパート

弦楽器製作者のパラレルキャリアとして最も手軽なのは契約社員やパートといった非正規での仕事です。

日本において非正規雇用はイメージがあまりよくありませんが、残業もなく、責任も少ない非正規の仕事は弦楽器製作者にとってはメリットがあります。

アルバイト パート

幸いなことに非正規の時給は近年上昇傾向にあり、最低限生活していくだけの収入を得ることはできます。

身体的・精神的に負担の軽い仕事を選べば尚良しです。

ただ、絶対に社会保険に加入してください。高すぎる年金と健康保険料を半分負担してもらえるのはメリットが大きいです。

まともな企業であれば有給もとりやすく、活動に融通が利きます。

パラレルキャリアの選択肢2.残業のない正社員

ブラック企業がはびこる世の中ですが、労働環境の見直しが叫ばれている昨今は、残業のない職場が徐々に増えてきています。

非正規よりは安定性と世間体が良いため、このような企業と縁があれば転職するのもアリです。

正社員 残業なし

ただ、正社員になると、どうしても飲み会や避けられない残業、さらには人付き合いのストレスを受けやすいため、思うように作業が進まない可能性もあります。

加えて、本人が業務へのモチベーションよりも弦楽器製作へのモチベーションの方が強いため、企業に帰属意識を持てないと悩む危険性があります。

なので、もし正社員として勤務するなら、マイペースにできる仕事、もしくはルーチンワーク的な仕事が良いと思います。

営業色が強かったり、意識高いITベンチャーとかはオススメできません。その仕事に本気で取り組まないと干されます。

パラレルキャリアの選択肢3.フリーランス

弦楽器製作家のパラレルキャリアとして、最も親和性が高いのはフリーランスです。

そもそも職人という職業自体がフリーランスなので、企業に属さずに別の収入元を得るのは理想的ではあります。

フリーランス WEB系

一言でフリーランスといっても様々な職業があります。技術が無ければできない事なので万人向けではありませんが、以下のような業種が例として挙げられます。

・アフィリエイター/ブロガー
・WEBデザイナー

・プログラマー
・フォトグラファー

やはりクリエイティブ関係が強いです。

もしこのような職業で収入を得ることができれば、通勤や人間関係による時間のロスがないため、楽器製作にも身が入りやすいと思います。

また、週3アルバイトで社会保険を負担してもらい、足りない分はフリーランスとて収入を得るのもアリです。どんな働き方をしても、製作時間が取れて、かつ効率的に収入が得られればそれに越したことはありません。

総括

プロになりたい方であれ、本気の趣味で楽しみたい方であれ「製作をメインに活動したい!」という方は、パラレルキャリアを視野に入れるべきです。

そして、可能であれば弦楽器製作と相性の良いメインキャリアを持てればカンペキだと思います。

若いころから製作に目覚め、海外留学してスキルを高めるのが理想ですが、誰もがそれをできるわけではありません。

大人になってから弦楽器製作に目覚めた場合、戦略を立てながら日々を生きていくことが必要です。

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