フィンランドが誇る英雄 シベリウスの生涯

ジャン・シベリウス。フィンランド出身の国民楽派作曲家として活躍し、名声を博した人物です。
ピアノ曲「もみの木」が有名ですが、青年期にヴァイオリニストを目指していた経歴から、交響曲やヴァイオリン協奏曲にも名作が存在します。
今回はシベリウスの生涯について掘り下げてみましょう。

シベリウス クラシック作曲家

楽器に親しんだ幼少期

シベリウスは1865年に首都ヘルシンキの北にあるハーメンリンナにて誕生。2歳の時に借金を残してこの世を去った父の代わりに母方の祖母と家に引き取られました。

彼は姉と弟との3人姉弟で育ち、ピアノやチェロの演奏を楽しむ生活を送っていましたが、叔父にヴァイオリンを譲りうけてからはヴァイオリンに一番興味を示していたようです。

10歳になる頃には独学で自作曲が書けるようになっており、その才能の片理を見せると同時にプロの音楽家として活躍することを夢見るようになります。

本場の音楽を学んだ青年期

シベリウスは20歳の時にヘルシンキ音楽院に入学。ヴァイオリンと作曲を学びますが、特にヴァイオリンに強くのめり込み、日々努力を重ねます。
1887年には弦楽四重奏団の第2ヴァイオリン奏者に抜擢され、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のオーディションを受けるなど、当時のシベリウスは作曲よりもヴァイオリンの実力が評価されていました。
しかし、上には上がいることを思い知ったシベリウスは次第に作曲活動に趣をおくようになり、ヴァイオリンのプロ奏者になる夢は諦めます。

 

同学院を卒業後はベルリン及びウィーンに留学し、作曲家としての成長を果たしました。

本場の音楽に触れ、豊かなインスピレーションを与えてもらった一方、祖国であるフィンランドに対する思いも強くなり、やがてシベリウスはフィンランドで作曲活動を続ける事を決め、帰国します。

フィンランド ヘルシンキ

帰国後のシベリウス

帰国後は1892年に公演した『クレルヴォ交響曲』をキッカケに名声を博し、同年にヘルシンキ音楽院の作曲講師に就任。翌年にはアイノ・ヤルネフェルトと結婚し、家庭を持ちます。

その後は精力的に祖国フィンランドに基づく作品を作り上げ、1899年に愛国歴史劇の音楽を担当したことにより国民的作曲家として誰もが知る存在となりました。

尚、この劇で演奏された音楽は交響詩『フィンランディア』として発表され、現代においても彼の代表曲として広く親しまれています。

その後もシベリウスは『交響曲第2番』『バイオリン協奏曲ニ短調』といった名曲を次々と作曲。1904年以降はヘルシンキ近郊のヤルウェンパーに別荘を立て、自然豊かな環境にて作曲活動に専念しました。

シベリウスは91歳まで生きた長寿の作曲家ですが、現存している作品の殆どが59歳になるまでの作品です。それ以降は重要な作品が発表されることはありませんでした。

作品を発表しなくなった理由としては「自己批判的性向」が強くなったことが原因といわれています。

何を作っても「しょぼい」と感じるようになってしまったわけですね。

シベリウス 楽譜

シベリウスは最後を遂げたのは91歳(1957年)のこと。脳出血を発症し、この世を去りました。葬儀はヘルシンキの大聖堂で行われ、棺は自宅の庭(アイノラの庭)に葬られました。

なお、アイノラの庭はシベリウスファンにとっての聖地として今もフィンランドに存在しています。

最愛の妻である「アイノのいる場所」というの意味を持つ「アイノラ」は毎年5~9月の間に敷地内がミュージアムとして一般公開されています。もしフィンランドに行く機会があれば、訪れてみるのもよいでしょう。

シベリウスの名曲

シベリウスはクラシック作曲家としてはマイナーな存在です。CM等で使われることも殆どないため、知る人ぞ知る作曲家だといえます。

しかし、知名度は低くてもシベリウスの曲には確かに「素晴らしい作品」が残されています。クラシック好きでなくても気にいる曲があるかもしれませんよ。

交響詩「フィンランディア」

フィンランディアはシベリウスの代表作であり、傑作です。
この曲はロシアの圧政に苦しめられていたフィンランドにおいて「愛国心」を沸き起こすために作曲され、現在ではフィンランドの第2国歌とされています。

「樹の組曲」より第5曲「もみの木」

交響曲に興味がない方はシベリウス=もみの木のイメージが強いと思います。
この曲はフィンランドの大自然の中に立つ木々の美しい姿を表現したピアノ曲であり、発表会で頻繁に演奏されます。繊細で美しい曲調も魅力ですが、3分程度の長さであるため非常に聴きやすいです。

交響曲第2番 ニ長調 作品43

通称「シベ2」とも呼ばれる交響曲第2番もシベリウスの代表作です。
大自然を思わせるスケール感と勇ましさを強く感じることができるエネルギッシュな一曲となっています。全4楽章の構成ですが、第4楽章がクラシックファンの中では圧倒的に有名です。

悲しきワルツ


戯曲「クオレマ(死)」という作品のために書かれた一曲。
よほどのクラシックファンでなければ知らないマイナーな曲ですが、幻想的で神秘的な曲調から隠れた名曲として知られています。

まとめ

シベリウスはフィンランドで活躍した優れた作曲家です。彼の曲は「フィンランドの大自然」を意識したスケール感の大きさが魅力で、力強さのなかに繊細さを感じることができます。

メジャーどころから少し外れた曲を探している方にシベリウスの曲はオススメです。興味があれば、他の曲も是非聴いてみてください。

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