先日婚約者と平成最後のクリスマスイブに指輪を作ってきました!
ここで重要なのは「買い」に行くじゃなくて「作り」にいったということです。
私はご存知の通りヴァイオリンを作っていますが、婚約者もアクセサリー作家としてハンドメイドのイベントに精力的に出店するほどモノ作りが好きな人だったりもします。
つまり、我々は「作る」ことに拘りをもつ夫婦!
指輪に関しても市販の指輪では満足できず、結婚指輪も自作してきました。
目次
結婚指輪を手作りするメリット
結婚指輪を手作りするメリットは主に下記の2つです。
・ブランドモノの指輪より安く買える
・ブランドモノの指輪よりも愛着が湧く
メリット1.価格の安さ
まず、価格について。
ブランドモノの指輪はとにかく価格が高いです。デザイン料に加え、業者間の中間マージン。
ピンクゴールドであれ、ホワイトゴールドであれ、プラチナであれ、どの素材が使われていても非常に高価になります。
しかし、結婚指輪を手作りすれば大幅にコストを抑えることができます。
ブランド料がかからない上にデザイン料も発生しない。
同じデザイン・素材の指輪を作ろうとした場合、市販の指輪の半額程度で作ることだって可能です。
結婚指輪を自作することは、できる限り指輪を安く購入したい方にとってメリットが大きいと思います。
メリット2.手作りならではの愛着
市販の指輪はデザインが洗練されており、作りに無駄がありません。有名ブランドの指輪であればそれに加えステータス性もあるでしょう。
つまり、完成度でいうと手作りよりもプロの職人が作り上げた指輪の方が優れています。
しかし、私はずっと身に着けることになる結婚指輪に個性がないのはつまらないと感じてしまいます。。
たとえ美しく煌びやかな指輪であっても、量産体制でつくられた同じデザインの指輪が世界に多数存在するということが気にくわないのです。
ヴァイオリンであってもアクセサリーであっても、やはりオリジナルなモノであればあるほど愛着が湧きます。例え一般的によくあるデザインであったとしても、自ら削って作り上げた指輪は何よりも特別です。
また、こだわり派の人は手作りならではの「オリジナリティーがある指輪」を作ることもできます。ネコの形をした指輪や市販の指輪にはない曲線をつかった指輪など、真に個性を求める人は指輪は自作一択でしょう。
具体的にどのくらいの価格になるのか?
近年手作り結婚指輪の業者は増えていますが、どの業者も○○万円〜といった曖昧な金額がWEBサイト上に提示されていて、実際にどの程度の金額になるかどうか分からないという方は多いと思います。
これに関しては業者が実際の価格を濁したいからという訳ではなく、指の太さや指輪のデザインによって使う地金の量が異なるため、本当に作ってみないとわかりません。
ただ、WEBサイトに掲載されている○○万円〜という表記は指が細い人を基準にして書かれていることが多いので、一般的な指の太さの人が手作りで指輪を作ると、思ったより高くなる傾向があります。
ここでは私達が実際に指輪の自作にかかった金額を参考程度に載せていきます。
私:17.5号で指輪を製作(ホワイトゴールド) 約50,000円
妻:8号で指輪を製作(PT900) 約60,000円
2人とも決して指が細いわけではないので、思ったよりも製作料が高くなりました。
デザインも若干厚みのある槌目デザインにしたため、地金を使う量が平均よりも多くなってしまったのかもしれません。
しかしながら、プラチナの指輪が6万円台。男性用のホワイトゴールド指輪が5万円台というのは、市販の指輪を購入するよりもかなり安いです。
それにこの価格はダイヤ3石込みの価格。トータルで考えるとやはり自作はかなりリーズナブルだと思います。
ちなみに私たちは指輪にお互いの誕生石を入れたかったため、+1万円で一石追加して、2石づつ誕生石を入れました。また、2500円で10文字までの刻印が刻めたので、イニシャルネームの刻印も追加。
ここまでしても1人当たり7500円の追加料金で済むので、やっぱりリーズナブルです。
手作りにチャレンジしたいけど、変にならないか不安
ブランドのステータス性に興味がなく、安く結婚指輪を製作したい人にとって「指輪を手作りで製作すること」はメリットしかありません。
ただ、手作りということに不安を抱く人は結構多いみたいです。
「上手く作れなかったらどうしよう・・」「手先が不器用だから心配・・」などなど。
しかし、そんなカップルに私から言えることは、ただ一つ。
「決してしょぼくなることはありません!」ということ。
確かに手先の器用さやモノ作りに長けている人の方が綺麗に仕上げることは出来ると思いますが、たとえ不器用な人でも汚くなるということはありません。
失敗してもちゃんと満足できる仕上がりになるまでスタッフがサポートしてくれますし、ヤバい感じになったらスタッフが手伝ってくれます。
また、指輪の製作はロストワックス技巧の基礎に当たる技術ですので、初心者でも、手先が不器用であったとしても、ちゃんとした指輪に仕上げることは十分可能です。
余程難しいデザインにしようと思わなければ、おそらく満足いく作品に仕上げることが出来るはずです。
どんな風に指輪を作るのか
最後に指輪をどんな風に作ったのかをご紹介します!結婚指輪を手作りしようか迷っている人は、参考にしてみてください♪
工程1.最初にどのようなデザインにしたいのかを決めておく
これは工房に行く前に済ませておきたいことですが、大まかにどのようなデザインの指輪を作りたいかを決めておくといいです。
当日決めればいいやと思っていると、なかなか決まらないので、、、。
ちなみに私達は下記のような指輪をスマホにいくつか保存し、工房に持ち込んで相談してみました。
出典:https://www.tezukuri-kekkonyubiwa.com/database/data353.html
結婚指輪は余り凝ったデザインではなくシンプルなデザインにしたいと思っていましたが、やはり個性も欲しいところ。そこで、形こそシンプルでありながらもランダムに削ってオリジナリティーを出すことができる槌目デザインにすることにしました。
工程2.指のサイズチェック
まず、作る指輪のサイズを計測して決めます。この際に重要なのは、指が太る可能性があるからといって必要以上に大きなサイズにしないことです。ブカブカな指輪は着け心地がよくないですし、地金代もかさみます。
それに、体型が変わることを想定していると、本当に変わってしまいます。
工程3.指輪の幅を決める
指輪のサイズを決めたら、サイズに合った穴がくり抜かれたワックス(蝋)が渡されます。
指輪はロストワックス技法によって作られるため、このワックスを削って指輪の型を作ります。
まず、行うことは指輪の幅決めです。
この工程ではワックスを置き、大きめのヤスリで高さを削っていきます。削れば削るほど、指輪をはめた時の幅が小さくなりますので、自分好みの幅まで削り続けます!
ある程度のところまで削れたら、紙やすりの上にワックスを置いて、面を均等かつ綺麗にします。あんまり、幅が大きいと地金代が高くなる上に指輪が重くなるので、ほどほどの幅(3mmくらい?)が良さそうです。
工程4.指輪の厚さを削りながら槌目を作る
幅を決め、面を綺麗に整えたら、次は指輪の厚さを削ります。
厚い指輪は存在感がありますが、重い上に邪魔になるので、ある程度薄くした方が無難です。
それに地金代も安くなります。
また、デザインによっては厚みを出してからデザインを彫っていくパターンもありますが、今回は槌目デザインですので、左右からランダムにワックスを削り少しづつ厚みを削っていきました。
ヤスリは根元に近い部分ほど大きく、ガッツリ削れ、先端に行けば行くほど細かく小さく削れます。これを利用して、自分にしかない独自の柄を作り出すのがポイントです。
全体のバランスをよく見て削らないと一カ所だけが厚くなったり、薄くなったりします。モノ作りになれていない人はヤバく感じたら早めにヘルプを呼んだ方が良さそうです。
完成!
厚みを削りながら、満足いくまでデザインを整えたら作業は終了です。説明を受ける〜作業終了まで概ね2時間程でした。
作り上げたワックスは重さが計られ、その重量に応じた価格を工房にお支払いします。ただ、どの素材を使うかによって金額が大きく変わることには注意が必要です。
素材による金額の違い
ピンクゴールド<イエローゴールド<ホワイトゴールド<プラチナ
例えば私はホワイトゴールドで製作し、約50,000円という価格になりましたが、これをプラチナにしたら75,000円前後になりますし、ピンクゴールドにしたら45,000円前後になります。
結構違うので、好みと予算に合わせて素材を選んでください。
ちなみに一般的にはプラチナがベストとされていますが、異様なプラチナ信仰は日本だけであって、欧米ではホワイトゴールドが主流です。
プラチナは希少価値が高く抜群のステータス性を誇る素材ですが、メリットとデメリットもあります。
価格だけを意識するとプラチナが最強と思われがちですが、ライフスタイルによって最適な素材は異なることは覚えておいても良いと思います。
最後に
長くなりましたが、締めくくりとして一言。
「結婚指輪の手作りはオススメです!」
いつまでも一緒に作ったことは想い出に残りますし、何よりも市販の指輪にはない個性があります。
プラチナやホワイトゴールドの指輪も安く作ることができるので、結婚のご予定がある方は是非検討してみてはいかがでしょうか?
尚、ワックスの状態から実際指輪になって手元に届くのは2ヶ月後くらいの予定です。
どんな感じになるかワクワクします♪
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