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ボサノヴァとは?その特徴と定義

ボサノヴァ

カフェミュージックの定番として世代を問わず愛されるボサノヴァ。

オシャレな音楽としてファッション的によく聴かれていますが、「どんな音楽なのか」と問われて答えられる人は稀です。

そこで今回はボサノヴァがどんな音楽なのかについて解説していこうと思います。

ボサノヴァとは?

ボサノヴァはポルトガル語で「傾向」「魅力」という意味をもつボサ、「新しい」を意味するノヴァを合わせた「新しい感覚」の意味を持つ音楽ジャンルです。

1950年代にブラジルで生まれ、アメリカ発祥のジャズとブラジルの伝統音楽サンバを融合することで作られました。

海岸地区に住む若手ミュージシャンたちを中心に創始され、ブラジルの新たなる音楽として確立された歴史を持ちます。

ジャズではなくサンバ寄りの音楽として生まれました。

1960年代にアメリカで流行した際にジャズ風に変貌した為、ボサノヴァ=ジャズだと思われがちですが、飽くまでもボサノヴァはブラジル発祥のゆるやかな音楽です。

本来のボサノヴァはドラムやパーカッションすら使わず、クラシックギターを基本に囁くように歌われます。

ボサノヴァの特徴

ブラジル発祥のボサノヴァには、大きく分けて3つの特徴があります。

・8ビートの音楽
・歌主体の音楽
・アンティシペーション

ここでは上記の特徴をそれぞれひも解いてみます。

8ビートの音楽

ボサノヴァは8ビートで奏でられるしっとりとした雰囲気の音楽です。元になったサンバとジャズはリズム感の強い音楽でしたが、ボサノヴァはクラシックギターやピアノを用いてリズムの強調をせずに落ち着いた音を奏でます。

クラシックギター

ドラムやパーカッションが使われることもありますが、最も重要なのはクラシックギターと歌。

シンプルな構成で奏でられ、サンバの2ビートともジャズの4ビートとも異なる、素朴でありながらも新しい斬新な音楽が作られました。

歌主体の音楽

ビッグバンドやピアノトリオなど、器楽中心で演奏されるジャズに対し、ボサノヴァはボーカル中心の音楽となります。

「ウィスパーボイス」と呼ばれる優しい歌い方をするのが特徴で、ジャズのコード進行やらボイシングを取り入れることで「新しい感覚」の音楽を作り上げました。

なお、ボサノヴァがブラジルで流行し始めたのは1958年に作曲されたシェーガ・ジ・サウダージ(想いあふれて)がキッカケです。

想いあふれて

 

作曲:アントニオ・カルロス・ジョビン

作詞:ヴィニシウス・ジ・モラエス作詞

歌・ギター:ジョアン・ジルベルト歌・ギター

ブラジル中で大ヒットした「想いあふれて」により、心地よく洗練されたサウンド感は中産階級の若手ミュージシャンの心を大きくつかみます。

特に歌・ギターを担当したジョアン・ジルベルトの影響は大きく、彼のスタイルやギター奏法を中心にボサノヴァの原型が定められたとされています。

アンティシペーション

ボサノヴァはジャズに比べリズムの強調が弱い音楽ですが、独特のスイング感を持つことで知られます。

このスイング感は「アンティシペーション」によるモノであり、演奏する際にはアンティシペーションを意識することが大切です。

「アンティシペーション」とは表拍の音が前の裏拍に食い込んで先取りして音を出すことで、「手前へと食い込む」形で演奏をするため疾走感が出ます。

クラシックやポピュラーで使われる裏打ちのシンコペーションとは異なり、一時的に不協和な響きになるのが特徴です。

アメリカのボサノヴァ

ボサノヴァ=ジャズという印象が強いのは1963年に「イパネマの娘」がヒットし、アメリカの大衆音楽として馴染んだことにあります。

「イパネマの娘」はジョアン・ジルベルトとアメリカのジャズ・サックス奏者スタン・ゲッツの共演によって制作されたボアノヴァアルバム『ゲッツ/ジルベルト』に含まれる一曲で、この大ヒットをキッカケに、ボサノヴァはアメリカのポピュラー音楽界にて一躍メジャーなジャンルとなりました。

ただ、アメリカで流行ったボサノヴァはいわば「ジャズ・ボッサ」であり、ブラジルで生まれたゆったりとしたボサノヴァとは異なる形で広まります。

囁くように優しく歌われる本来のボサノヴァではなく、オシャレな8ビートポップスとして。

クラシックギターを用いた素朴なボサノヴァはアメリカを経由したことでコーヒーによく合う演奏特化の聴きやすいジャズボッサに変貌を遂げることになります。

私たちが良く聞くボサノヴァもアメリカを経由した作られた「ジャズボッサ」です。

日本においてはエヴァンゲリオンで「Fly Me to the Moon」が使われたことで、そのイメージは確固たるモノになった気がします。

ボサノヴァ=ジャズという認識を持つことは間違いではありませんが、元々はブラジル発祥の主張の弱い音楽であることは知っておきたいところです。

現代におけるボサノヴァ

日本においてはカフェブームと共にメジャーな音楽となったボサノヴァ(ジャズ・ボッサ)ですが、本場ブラジルにおいては年配の音楽ファンが利く音楽という価値観が根強く、大衆に浸透しているとはいえません。

というのもブラジルにおけるボサノヴァはジャズ・ボッサではなくオリジナルのボサノヴァの存在感が強いからです。

クラシックギター ボサノヴァ

大衆向けにアレンジされた音楽ではなく、サンバから派生した伝統的な音楽こそが真のボサノヴァである。

本来のニュアンスとは異なった発展を遂げたジャズ・ボッサはブラジルの民衆にとって受け入れることが難しく、実はあまり流行りませんでした。

他国のようにボサノヴァ=オシャレ音楽という価値観が浸透しなかったため、現地の若者にとってのボサノヴァは50年以上前に流行した古い音楽というイメージが強いのでしょう。

「オリジナルのボサノヴァ=日本の演歌」のような位置づけになっているのだと思います。

最後に

日本において「音のインテイリア」「ファッションミュージック」として人気を博すボサノヴァ。

ジャズとごっちゃに認識している方も多いですが、蓋を開けるとブラジル発祥の歌主体の音楽であることがわかりました。

私たちに馴染みがあるのはジャズボッサの方ですが、淡々と演奏されるオリジナルのボサノヴァも素敵な音楽であることは間違いありません。

両方の違いを踏まえ、聞き比べてみるのも面白いと思います。

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