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オカリナってどんな楽器?

オカリナ

オナリナといえばゼルダの伝説!

このイメージを持たれている方は多いと思います。

素朴で可愛らしい外観に透明感のある音色。シンプルな楽器でありながらも人気があり、ゼルダの影響からか海外にもオカリナ演奏者が増えているようです。

そこで今回は「オカリナ」について掘り下げていきます。

意外と知らないオカリナの事をこの機会に学んでみましょう!

目次

オカリナはイタリア発祥の楽器

オカリナは唇の振動を使わず、唇から出す空気を吹き込み口に当てることで発生する気流で音を出す気鳴楽器の仲間です。

マヤ文明の時代から存在したとされており、中国やアメリカ、メキシコといった世界各国に伝わった後、1860年頃にイタリアのジュセッペ・ドナティによって現在の形のオカリナが確立させました。

そのため余り知られていませんが、現在のオカリナはイタリア発祥の楽器ということになります。

オカリナ イタリア

オカリナという楽器名はガチョウを意味するイタリア語「oca」と小さいという意味を持つ接尾語「-ina」を合わせた造語です。
つまり、小さなガチョウという意味を持ちます。

現在のオカリナの形がガチョウのように見えたことから名付けられたそうですが、ガチョウに見えるかは少し謎です。

オカリナの構造と音域

オカリナは複数の指穴が開いた所謂「笛」です。構造的には吹き込んだ息の束が管の中で共振して音が出ます。

ただ、フルートやリコーダーのように直線的な管ではないため、オカリナは空洞内部の空気が共振して発音する楽器です。

笛とはいえ構造的にはヴァイオリンに近い楽器だと思ってください。

また、素材としては「素焼きの陶器」であることが一般的で、緻密な設計で穴をあけた粘土を炉で焼き、チューニングすることで1つの楽器に仕上げます。

穴の配置すら自由に変更できるため、カスタマイズ性に優れます。

この性質から自分だけのオーダーメイドオカリナを持つプロも少なくありません。

オカリナ 音域

音域に関してですが、オカリナは形状が自由自在であるため絶対的な音域がありません。そのため、同じような見た目の楽器であっても、メーカーによって音域は異なります。

ただ、基本的には2オクターブに届かない1オクターブ半程度に設定されていることが多く、決して広い音域を持つわけではないことは覚えておきましょう。

ちなみに市販されているオカリナの定番KEYは「C調・F調・G調」です。調号が多い管は少なく、初心者や高齢者に考慮した設計となっています。

オカリナは高齢者に人気

近年オカリナの人気は上がっていますが、主に高齢者から人気を博しています。

息を吹きかければ音が出る簡易的な楽器であるうえに、形も可愛い。

さらには合奏も楽しめるということで、デイサービスやグループホームでオカリナ演奏を取り入れる施設も増えています。

オカリナ 高齢者

簡易的に演奏できる楽器は他にもいろいろありますが、オカリナが選ばれるのはやはり音色が優しいからでしょう。

優しく扱えて合奏が楽しめることだけ考えればリコーダーでもいいはずです。

しかしオカリナは陶器ならではの質感からか、持っているだけでも幸せに感じる楽器と言われています。

個体差が大きい楽器なので、愛着が湧きやすいことも魅力に思われているようです。

オカリナの定番はアルト

オカリナは大きく「ソプラノ管」「アルト管」「バス管」の3種類に分類されますが、実は最も定番なのは「アルト管」です。

リコーダーのイメージかソプラノ=定番と思われがちですが、ソプラノオカリナは音域が高く、やや扱いづらいです。

その点アルトは人の耳に心地よく聴こえる音域となっているため、合奏やコンサートにおいてもアルトが主流となっています。

特に高音が聞き取りづらくなった高齢者にとってはアルトの音域はちょうどよく、メーカー視点から見てもアルトの売上は好調のようです。

音色も吹きやすさもメーカーによって違う

どの楽器にも当てはまりますが、メーカーや作り手によってオカリナは大きく表情を変えます。

まず型が違えばオカリナの音色は全然変わりますし、プラスチックなのか土なのか、さらにはどこの土なのかによっても音色は変化します。

オカリナ

加えて陶器であるオカリナは焼き方や温度の違いでも仕上がりが変わります。

例え同じメーカーの同じ型であったとしても同じ個体は存在しない。

オカリナは自分だけの楽器であることを感じやすい楽器だといえます。

 

また、オカリナには吹きやすい初心者用の楽器というだけでなく、複数の調を演奏できる複数管オカリナ(プロ向け)も存在します。

2連タイプはダブレット、3連タイプはトリプレットとも呼ばれ、これらの楽器の表現力はオカリナとはいえ侮れません。

複管オカリナ

ちなみにオカリナは吹きやすく音の出しやすい楽器であることは確かなのですが、陶器という材質から気候や湿度、環境によってピッチが変化しやすく、安定した演奏をするのが難しいです。

そのためみんなで楽しむ楽器としては易しい楽器であってもソロ演奏楽器としては非常に難易度が高かったりもします。

 

日本国内で販売されているオカリナの主要メーカー

この記事の締めくくりとして日本国内で販売されている主要オカリナメーカーを紹介します。オカリナを演奏してみたいと思った方は、ネットや楽器店で探してみてはいかがでしょうか?

NIGHTオカリナ

大塚楽器製作所というメーカーによって製造されているナイトオカリナ。初心者でも使いやすいように開発されているのが特徴で、音が出しやすく穴が抑えやすい設計になっています。

幅広い価格帯のオカリナを用意しているため、知名度が高いです。

POPOLOオカリナ

茨城県にある谷口工房製作によって作られるポポロオカリナ。ポポロとはイタリア語で「みんな」という意味をもち、その他の通り誰からにも愛される吹きやすい仕上がりとなっています。

特に黒陶が使われた上位モデルのコンチェルトの人気は高く、優しい音色の評価は絶大です。

アケタオカリナ

アケタオカリナは、90年にも及ぶ歴史と伝統を持つ、日本の老舗オカリナメーカーです。厳選した良質な「土」を原料に艶やかな音の出るオカリナを数多く手がけています。

他のメーカーよりも陶器感が強く、オカリナの礎を築いたイタリアのデザインに近いオカリナであることが特徴です。

実際にオカリナの音色を聴いてみましょう!

では実際にオカリナの音色を聴いてみましょう。優しい音色なので、ぼーっと聴いているだけでも癒されます。

オカリナといえばやっぱりゼルダ!ということで、時のオカリナメドレーです。

オカリナの旋律を聴くとハイラルの世界を思い出します。

オカリナプレーヤーのRan Nakaharaさんによる「もののけ姫」の演奏。神秘的なメロディーとオカリナの音色は相性抜群です。

最後に

笛でありながらも笛らしくない性質をもつオカリナ。

同じ形をしていても個体差が大きく、その音色は千差万別です。

誰にでも演奏しやすく可愛らしい外観をしているため、高齢者や女性にも人気があり、演奏人口は徐々に増えつつあります。

価格も手頃なモノばかりなので、興味があれば1つ買ってみてはいかがでしょうか?

オカリナ イタリア

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この記事を書いた人

可愛いモノや綺麗なモノが好きなアマチュアヴァイオリン製作家。優れたヴァイオリンを一本でも多く作ることを目標に活動中です。
製作工程や音楽に関する記事を更新しています。

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