クラシック音楽は「高尚な音楽」「とっつきにくい音楽」という側面が目立ちますが、数世紀も受け継がれてきた音楽が優れてないわけがありません。
そこで今回はクラシック音楽の4つの魅力について紹介します。
「クラシックの何がいいのか分からない」という方はとりあえず読んでみてください。
クラシック音楽の魅力1. 不変性がある
クラシック音楽は数えきれないほどの作曲家が数世紀にわたって作り上げてきた伝統と歴史をもつ音楽です。同じような曲が作られて消えていく消費物的なポップス音楽とは違い、「時代遅れ」になることがない音楽ジャンルだといえます。
ポップス音楽は数年、数十年経てば時代遅れとなってしまいますが、クラシック音楽はいつまで経っても時代を感じさせずに生涯聴き続けることも可能です。
「お前、まだそんなの聴いてるの?」とか言われることがないのは大きな魅力だといえます。
また、年配の方にクラシックファンが多いのも、「流行に乗る必要が無いから」という理由も大きいでしょう。若者であれば流行の音楽やポップスが興味の対象になると思いますが、もし年を取った時、激しい音楽を聴き続けたり、フェスにいったり、ライブを聴きに行ったりすることが果たして出来るでしょうか?
実際に年を取ってみなければ分かりませんが、静かに聴けて不変性のあるクラシックが聴きたくなるのも頷けます。
レパートリーが色褪せないことも魅力
楽器の演奏を趣味とする方にとってクラシックは大きなメリットがあります。
まず、レパートリーが色褪せません。
ポップス曲は数年で時代を感じる曲となってしまうため、折角覚えた曲も数年後には演奏しづらいモノになってしまいます。対してクラシックは賞味期限がないので、覚えた曲をいつまでも現役レパートリーとして活躍させることが可能です。
また、クラシックは著作権が切れているため、コンサートや演奏会にて自由に演奏することができます。
JASRACの管理が厳しくなっている昨今においては、著作権が関係ないということもメリットです。
クラシック音楽の魅力2 飽きない
前項で説明した不変性と繋がるものがありますが、クラシック音楽は飽きません。
クラシック音楽には「ピアノ曲・歌曲・管弦楽曲・交響曲」など、多岐にわたるジャンルがあり、数えきれないほどの曲が存在します。
これら全てを網羅しようとすると、いくら時間があっても足りません。
しかも曲の構成や技法がポップス音楽と比較するとかなり複雑ですので、例え同じジャンルであっても時代や作曲家によって曲の雰囲気は大きく異なります。
クラシックに興味をもって聴き続けることが出来たのであれば、おそらく一生飽きることはないでしょう。
クラシック音楽の魅力3 静かに楽器の豊かな響きを聴ける
音楽をゆっくり静かに聴きたい人にとってクラシック音楽は最適です。ロックにせよ、ジャズにせよ、ポップスにせよ、実際に生で音楽を聴きに行こうとすると、人がごっちゃ返していたり、大音量が鳴ったりして静かに音楽を聴くことができません。
その点、ゆったりと音楽に集中できるクラシックは癒し効果が高く、音楽は静かに聴きたいという人にとってはうってつけのジャンルとなります。
また、機械を通さないアコースティック楽器の豊かな響きを聴くことができることも大きな魅力です。私はビート感の強いポップスも普通に好きですが、やはり生で音楽を聴くとすればアコースティック楽器を使った音楽が一番だと思っています。
音の響き、膨らみ、残響感。どれをとっても機械では決して表現できません。
そんな素晴らしいアコーステック楽器の音をプロの演奏家の技術で、しかも優れたコンサートホールで演奏してくれる。
間違いなくクラシック音楽は本当に素晴らしいものだと思います。
ただ、逆に言うと生で聴きに行かなければ真価を味わうことができないジャンルともいえますので、クラシックをこれから知っていきたいという人は是非コンサートに訪れてみてください。
クラシック音楽の魅力4. 音楽に詳しくなる
クラシック音楽は音楽の基礎です。ジャズやポップス、さらには映画音楽も元を辿ればクラシック音楽にたどり着きます。
と、いうことはですよ?
クラシック音楽を知れば「音楽」に詳しくなるため、他のジャンルを聴くのも楽しくなるというわけです。
ポップスを演奏する人ならコード進行を勉強すると思いますが、コード進行はクラシックの和声学のいいとこどりしたモノです。音の進行や和音構成といった理論も、その基礎はクラシック音楽にあります。
ジャズもクラシック音楽の後期で用いられたフランス和声から派生していますし、ドラクエの音楽だってクラシックの管弦楽法がふんだんに盛り込まれています。
クラシックしか聴かない!となるとやや偏屈な感じがしますが、クラシック「も」聴く場合は音楽人生に大きなメリットを与えてくれるはずです。
最後に
クラシック音楽は音楽のジャンルの一つに過ぎません。遥か昔に作られた外国の音楽というだけであり、他のジャンルよりも優れているわけでもありませんし、高尚なモノというわけではありません。
ただ、その「不変性」には大きな魅力があります。
膨大な曲が存在するのでいくら聴いても飽きませんし、流行り廃りがないので、覚えた曲が色褪せることはありません。
そして何よりも機械を通さない生音の素晴らしさを教えてくれます。
クラシックを他のジャンルとは違うステータス性の高い音楽と思わず、たまにはクラシック「も」聴いてみようというという軽いノリで扱えば、その良さがだんだんと見えてくるかもしれません。