交響曲・協奏曲・ピアノ曲…。
クラシック音楽は大きく分類すると7つのジャンルに分類されます。
そこで今回はクラシックの定番ジャンルを様式や楽器編成別にまとめてみました!
たとえ玄人であっても「このジャンルは好きだけど、このジャンルは嫌い」といった具合に、クラシックの全てのジャンルが好きという方はとても珍しいです。
クラシックに興味があるけど何を聴いていいのかわからない。という方は、まず自分に合いそうなジャンルから見つけましょう。
クラシックのジャンル1.交響曲
交響曲はクラシックにおいてもっとも花形といえる編成であり、これぞクラシックという作品です。
コンサートのメインプログラムに置かれることが多く、クラシック音楽の良さを心から味わうことができます。
交響曲はシンフォニーとも呼ばれ、複数の楽章で構成された大規模なオーケストラ曲のことをさします。
時代によって用いられる楽器や楽章の構成は異なりますが、基本的には4つの楽章で音楽が進行していくのが特徴です。
例えばモーツアルトやベートーヴェンが活躍した古典派の時代では、以下のような楽曲構成が用いられました。
第1楽章:ソナタ形式(かっちりルール決めされた音楽)
第2楽章:ゆるなかな雰囲気の楽章
第3楽章:スケルツォorメヌエット
第4楽章:テンポの速い華やかな楽章
楽章ごとに10分以上の演奏時間があり、通しでは30分〜1時間ほどになる曲が多いです。
クラシック音楽の魅力を味わえる最強のジャンルといえますが、それ相応の知識がないと楽しむことが難しいジャンルであるともいえます。
クラシックのジャンル2.管弦楽曲
交響曲も広義では管弦楽曲なのですが、クラシックの世界では交響曲以外のオーケストラ編成の楽曲を「管弦楽曲」と呼ぶことが多いです。
バレエ音楽や劇音楽、オペラで演奏される序曲、ワルツ舞曲など、多種多様の管弦楽曲が存在し、それぞれに異なる特色を持ち合わせます。
有名どころとしてはチャイコフスキーの【くるみ割り人形(バレエ音楽)】やムソルグスキー【展覧会の絵(組曲)】、ヨハンシュトラウス2世の【美しく青きドナウ(ワルツ)】あたりでしょうか。
交響曲よりも手軽に楽しめる楽曲が多く、求められる知識も少ないので、現代でいう映画音楽・サントラの感覚で聴けるのも大きなメリットだと思います。
わざわざ勉強するほどクラシック音楽にハマれない。と、いう方にオススメです。
クラシックのジャンル3.協奏曲
協奏曲はオーケストラ+ソリストの編成で演奏される楽曲です。ヴァイオリンやフルート、チェロといった楽器のソリストが主役となり、オーケストラと共に壮大なスケールで音楽が表現されます。
作曲家によって楽曲の個性が大きく異なることも協奏曲の特徴で、「オーケストラ:伴奏重視」な楽曲もあれば、オーケストラとソリストが競うように音を奏でる技巧的な楽曲も多く存在します。
交響曲では味わえないソロの魅力とオーケストラサウンドの迫力をいっぺんに味わうことができるため、協奏曲のファンも非常に多いです。
ただ、協奏曲の欠点をあげるとすると、やはり長い。
第1楽章:速いテンポ
第2楽章:ゆったりとした楽章
第3楽章:速いテンポ
交響曲と同じく複数の楽章で構成され、【急緩急】で演奏される楽曲が多いです。トータル演奏時間が30分を超える曲も多く、この長さについていけるかが協奏曲を楽しむ鍵となります。
クラシックのジャンル4.ピアノ曲
ピアノだけで演奏されるピアノ曲。クラシックにおいて最も人気があり、メジャーなジャンルです。
好きな作曲家アンケートにおいて「ショパン」が1位に輝くことがそれを物語っています。
楽器の王様と呼ばれるピアノは低音から高音まで幅広い音域をカバーする最強のソロ楽器です。癒し効果のあるピアノのサウンドは老若男女に親しまれており、ピアノソロ曲は誰からも愛される楽曲であるといえます。
主な人気作品
ショパン:別れの曲・革命・黒鍵のエチュード
リスト:愛の夢・ため息・ラカンパネラ
ドビュッシー:月の光・亜麻色の髪の乙女 など
管弦楽曲とは異なり「小曲重視」であることも現代人にとってはポイントで、5分に収まる曲も多いことから忙しい方でも聴きやすいです。
また、楽曲の構成もわかりやすく、クラシック音楽に詳しくなくても気軽に聴けます。
ピアノ学習者が多いことから演奏需要も高く、今後も人気NO.1ジャンルの座は揺るがないでしょう。
クラシックのジャンル5.室内楽曲
2人以の小編成で演奏される楽曲を室内楽曲と呼びます。ヴァイオリン+ピアノ、フルート+ピアノ、チェロ+ピアノといったソリストと伴奏の組み合わせ(二重奏)やピアノ+ヴァイオリン+チェロ(三重奏)など、楽器編成は多岐に渡ります。
他のジャンルと比較すると、自分が演奏する楽器の曲だけを聴くという方が多く、特に三重奏以上の編成は学習者向けの音楽という印象が強いです。
どこかで耳にしたことがある・・。という楽曲が少ないため、自発的に聴かないとなかなか馴染みが薄いジャンルではありますが、ヴァイオリンの愛の挨拶やG線上のアリアなど、中には圧倒的な人気と知名度を誇る楽曲も存在します。
好きな楽器があるという方は、その楽器で演奏される室内楽曲を少しづつ開拓してみてはいかがでしょうか?
クラシックのジャンル6.声楽曲
楽器ではなく声で演奏あれる楽曲を声楽曲と呼びます。ソロ+伴奏の形式「歌曲」が真っ先に思い浮かびますが、合唱曲やミサ曲も声楽曲に当てはまります。
クラシックは西洋発祥の音楽であるため、歌詞はイタリア語もしくはドイツ語のものが多く、キリスト教を題材としたモノも多いです。
キリスト教に馴染みのない日本人にとってはなかなかとっつきにくいジャンルではあるため、原曲よりも室内楽編曲版の方が人気があったりもします。
ただ、オーケストラ+声楽で表現されるオラトリオ、そしてモーツァルトやヴェルディのレクイエムなどは映画の影響もあってか普段クラシックを聴かない人にも人気があります。
真のクラシック好きとは楽しむポイントが違うかもしれませんが、「禍々しくてかっこいい!」的に気軽に聴くのもアリです。
クラッシックのジャンル7.オペラ
歌曲をメインに展開される舞台劇オペラ。オリジナルの台本を用いて、登場人物が歌いながらストーリーを展開させていく「物語と音楽」の総合芸術です。
古典や文学、宗教を題材にすることもあり、作曲家によって物語や演出・楽曲構成が大きく異なります。
今でこそコアなクラシックファンだけが鑑賞するジャンルとなっていますが、映画もゲームもなかった当時の社会においてはオペラは最高の娯楽として人気を博していました。
現代においてはオペラ作曲家よりも交響曲作曲家の知名度が上回っていますが、民衆から支持を集め、富と名声を得たのはオペラ作曲家です。
正直、初心者にとってオペラは他のどのジャンルよりも敷居が高いと思います。さすがに観にいく気にはならないかな。。と言う方は曲だけ聴くのもアリです。
映画やゲームだってサントラだけ聴く人もいますし、それでも十分楽しいと思います。
ただ、生で声楽やオーケストラの迫力を楽しめるのはオペラならではの魅力なので、ストーリーが面白そう?と感じた作品を鑑賞してみるのも良い経験です。
総括
クラシックを大まかにジャンル分けすると以下に分類されます。
・交響曲
・管弦楽曲
・協奏曲
・ピアノ曲
・室内楽曲
・声楽曲
・オペラ
ジャンルの好き嫌いはどんなクラシックファンにもあります。また、交響曲が好きでも「モーツァルト」は嫌いだけど「ラヴェル」は好きといった感じに作曲家の好みのあるでしょう。
全部を好きになる必要は全くないので、まずは気になったジャンルの音楽を少しづつ開拓していくのがオススメです。
この曲だけ好きというピンポイントな楽しみ方もアリなので、まずは気軽に聴いてみましょう。