心優しきノルウェーの作曲家グリーグの生涯

クラシック作曲家といえばドイツ・オーストリア・イタリア・フランス生まれの作曲家が多いですが、「エドヴァルド・ハーゲルップ・グリーグ」は珍しいノルウェーの作曲家として有名です。
彼は19世紀中盤から20世紀の頭にかけて国民楽派の作曲家として活躍し、民族音楽から着想を得た美しい楽曲の数々を残しました。
今回はグリーグの生涯について掘り下げていきます。

クラシック作曲家 グリーグ

グリーグの誕生〜結婚

グリーグはノルウェー(当時はスウェーデン統治下)の西岸ヴェストラン地方の中流家庭に生まれた人物です。彼は音楽好きであった母の影響を受け、幼少期からピアノ演奏に親しんできました。

グリーグが本格的に音楽教育を受け始めたのは15歳の時。ノルウェー初の国民的スターと呼ばれたヴァイオリニスト オーレ・ブルの勧めにより、メンデルスゾーンが創立したライプツィヒ音楽院にてピアノと作曲を学びます。真面目な性格であったグリーグは真摯に音楽と向き合い、非常に優秀な成績を収め同学院を卒業しました。

その後20歳になったグリーグは北欧の有名作曲家ニルス・ゲーゼに師事するためにデンマーク コペンハーゲンに移住。作曲家としての第一歩を踏み出しました。

コペンハーゲン グリーグ

幼馴染と運命的な再開

コペンハーゲンでの暮らしにも慣れ始めたころ、彼は幼いころに仲良くしていた従妹ニーナ・ハーゲルップと再会します。ニーナはプロのソプラノ歌手に成長しており、「音楽」という共通点があった2人は意気投合します。
そして、着々と距離を縮めていった2人はグリーグが24歳の時に結婚。穏やかなグリーグの性格もあってか、非常に仲睦まじい夫婦生活を送りました。

最初は音楽家という不安定な職業であることからニーナの両親には結婚を反対されていましたが、グリーグの努力により次第に認められていったようです。

また、この結婚は作曲家としてのグリーグにも良い影響を与え、ニーナに向けて書いた歌曲「君を愛す」といった数々の名曲が生まれました。

音楽家としての成功〜民族音楽への興味

彼は才能を徐々に才能を発揮し、24歳の時にオスロ(当時はクリスチャニアという街)のフィルハーモニー協会の指揮者に就任。グリーグの代表曲である『抒情小曲集』の第1集もこの時期に作曲されています。

ノルウェー オスロ

また、当時の音楽界において絶大な影響力を与えていたフランツ・リストから高い評価を得たことにより、グリーグとニーナの名声はヨーロッパ中に知れ渡るようになりました。

着々と努力を重ねてきた2人は夫婦揃って音楽家としての成功を掴み取ることができたのです。
オスロでの活動は約10年間続き、数々の名曲の作曲と音楽発展に貢献した後はハルダンゲル地方に移住。

51歳の時には同地方のトロールハウゲンという地に住まいを構え、彼の作曲スタイルの基盤である民族音楽の研究を進めました。

この時期には彼の代名詞である劇音楽ペール・ギュントより「朝」も作曲されており、ドイツ・オーストリアの定番スタイルとは異なる独自の世界観を構築しています。
最後を迎えたのは64歳の時。母国ノルウェーの独立を見届けた後、生まれ故郷のベルゲンにてその生涯を終えました。

グリーグとニーナは最後の最後まで良い関係を築いていたようで、ニーナはグリーグがこの世を去った後もコペンハーゲンにてグリーグが残した音楽の普及に努めたといわれています。

※グリーグは小柄で威圧感のない人物であり、生涯を終えるまで『手のひらサイズの小さな蛙の置物』と『子豚のぬいぐるみ』を大切にしていた可愛らしい一面を持っていたようです。
このような優しい心を持った人だからニーナとずっと仲良しで暮らせたのでしょう。

グリーグの名曲

グリーグ:《ペール・ギュント》第1組曲 「朝」

誰もが一度は聴いたことがあるグリーグの代表作。小学校の朝に放送される定番曲です。

《ペール・ギュント》第1組曲 「山の魔王の宮殿にて」


家政婦のミタゾノ・ファニーゲームの予告編・チャーリーとチョコレート工場といった数々のドラマや映画に使われた強烈な知名度を誇る一曲。音量が徐々に大きくなることが特徴です。

君を愛す


知名度はそこまで高くはありませんが、個人的に大好きな曲なので紹介します。もともとは歌曲として作られましたが、ピアノ独奏や管弦楽アレンジ版も有名です。2,3分程度の短い曲ですが、繊細で美しいメロディーラインは誰からも愛されます。

まとめ

心優しいグリーグは愛妻ニーナと共に音楽家として充実した生涯を送った人物です。
激動な人生ではなく穏やかな人生であったため、地味といえば地味な作曲家ですが、一流の作曲家であったことは間違いありません。

グリーグの名声は旧500クローネ紙幣に肖像画が採用されるほど高く、ノルウェーにとっての英雄といえる人物として語り継がれています。

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