ゲームやアニメの影響もあり、近年知名度が急激に上がっているアイリッシュ音楽。
独特なノリとリズムを持ち、老若男女問わず演奏する方が増えています。
ただ、アイリッシュ音楽は元々ダンスの伴奏として作られた音楽であるため、普段馴染みのないダンス曲を弾くことが多いです。
そこで今回はアイリッシュ音楽で演奏される主な曲の種類を紹介します。
アイリッシュ音楽はダンス音楽
アイリッシュ音楽=ダンス音楽。
「明るく楽しい曲」「酒場で演奏される曲」といったイメージが強いアイリッシュ音楽ですが、もともとは踊りの伴奏として作られた音楽です。
各地方に伝わる伝統的なダンスの伴奏として、独自の表現をもつ音楽が作り上げられました。
近年ゲームやアニメ、映画作品においてアイリッシュ音楽はしばしば使われていますが、よく踊りながら曲が奏でらるシーンを見かけます。
有名どころといえばタイタニックでディカプリオが踊るシーン。あとは塔の上のラプンツェルでラプンツェルが街中で踊るシーンなど。
現在は楽器だけでセッションすることが大半を占めていますが、奏者はダンス音楽であることを強く意識しています。
旋律を歌わせるのではなく踊らせる。
これこそがアイリッシュ音楽の醍醐味です。
アイッシュ音楽の種類1.リール
リールはアイリッシュ音楽の定番であり、セッションでも良く弾かれるダンス音楽です。
特徴は速いリズムの4/4拍子であること。
明るい曲も多いですが、やや憂いを帯びた曲も多数存在します。
リールはアイリッシュ音楽の中では技巧的であり、奏者が演奏していて楽しい曲が目白押しです。
ただ、ゲーム好きや映画好きな人は次に紹介するジグを好む人が多い気がします。
アイッシュ音楽の種類2.ジグ
リールと並ぶアイリッシュ音楽の定番「ジグ」。
8分の6拍子で奏でられる快活で明るい曲調はまさに心躍る音楽といったところ。
一口にジグとにいっても「ダブルジグ」「シングルジグ」「スリップジグ」といった種類があり、それぞれに特徴があります。
最もメジャーなのはダブルジグであり、一般的にジグというとコチラを指すことが多いです。
ジグは「タタタ タタタ」というリズムが続いていきますが、タタタの真ん中の音がやや短いです。
これにより、疾走感のある前のめりのリズムが生まれます。
アイッシュ音楽の種類3.ポルカ
ポルカは4分の2拍子で演奏される明るく楽しいダンス曲です。
チェコの民族舞曲が起源となっており、アイルランドのみならず世界中で親しまれています。
タイタニックのダンスシーンでディカプリオさんたちが踊っていたのもこの曲であり、男女の密着度が高いことでも有名です。
ポルカはリールやジグに比べ技巧的に簡単な曲が多く、初心者が弾きやすい音楽だと思います。
メロディーもわかりやすいので、弾くのも聴くのも楽しいです。
アイッシュ音楽の種類4.ホーンパイプ
ホーンパイプは4/4拍子にて演奏されるダンス音楽です。主にソロダンスで演奏されます。
リールと同じ拍子を持ちますが、テンポがやや遅く、初心者でも弾きやすい曲が多いです。
リズムの跳ね感が強いため、ホーンパイプらしさを出すには強弱のメリハリを意識しなければなりません。
ちなみにホーンパイプという名はイングランドなどで使われていた楽器が由来となっています。
地域によって名称が異なることも特徴で、例えばスコットランドでは「ストックホーン」と呼ばれたりもします。
アイッシュ音楽の種類5.スローエア
スローエアは歌詞付きの歌を楽器で演奏することです。
アイリッシュ音楽は基本的にダンス音楽であることが基本ですが、スローエアだけは例外となり、ダンスの名称のことを指しません。
ダンス音楽ではないためテンポが遅く、フィドルにおいてはアイリッシュ音楽ではあまり用いられないヴィブラートを使う場合があります。
アイリッシュ音楽の中では民族音楽としての特色がやや薄いのがスローエアの特徴です。
テンポ感が希薄な楽曲も多く、クラシック音楽の演奏に近い技術も必要となります。
アイッシュ音楽の種類6.スライド
スライドは8分の12拍子のダンス曲です。リールやジグと比較するとややマイナーな音楽にはなりますが、アイルランドの南部でよく弾かれています。
ちなみにスライドはシングルジグと呼ばれることもあるので、覚えておきましょう。
アイッシュ音楽の種類7.マズルカ
ポーランドの舞曲として世界中に知れ渡る「マズルカ」。アイルランドを中心としたケルト圏でもしばしば演奏されます。
基本的には3/4拍子のリズムで演奏されますが、アイリッシュ音楽として独自に発展したマズルカもあり、こちらは4拍子系のリズムで演奏されます。
マズルカは2拍目もしくは3拍目にアクセントが置かれている曲が多いです。他のアイリッシュ曲と比較するとやや癖のある曲となっています。
セット(メドレー)について
アイリッシュ音楽はテンポが速いうえに、1曲が1分ほどしかないため、複数の曲を繋いでメドレー形式で演奏するのが基本です。
1つのセットは3曲で構成され、曲の繋ぎがスムーズであればセットの組み方は奏者が自由に設定して構いません。
リールであればリール3曲。ジグであればジグ3曲でセットを組むのがベターです。
ただ、一人で演奏を楽しむのであれば、ダンスを組み合わせて好きに遊んでみるのも楽しいと思います。
最後に
アイリッシュ音楽はアイリッシュダンスの伴奏として生まれたダンス音楽です。
他のジャンルにはない独特のノリを持ち、ダンスを踊る人達だけでなく旋律までもが踊ります。
楽器だけでセッションする機会も多く、人気どころは「リール」「ジグ」「ホーンパイプ」「ポルカ」など。
一曲一曲が短く、3曲を1セットとして演奏されることが多いです。
アイリッシュセッションは主に東京・京都・名古屋といった都市で行われていますので、興味があれば聴きに行ってみてください。
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