2019年4月より 日本バイオリン製作研究会に所属することになりました。

オーケストラに使われる打楽器について

オーケストラ 打楽器

オーケストラで使われる楽器は大きく分けて「弦楽器」「木管楽器」「金管楽器」「打楽器」の4セクションに分類されます。

例えば弦楽器セクションはヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスの4つの楽器群によって構成され、木管楽器セクションは規模が小さい編成であればフルート・オーボエ・クラリネット・ファゴットで編成されることが多いです。

では、打楽器セクションはどのような楽器で構成されているのでしょうか?今回はクラシック音楽で使われる打楽器を一部ではありますが、ご紹介します。

オーケストラに興味がある方は是非一読してみてください。

意外と打楽器セクションのことを知らない人は多いです

打楽器の役割

打楽器セクションはテンポと時間を調整する役割を持つセクションです。現代のポピュラー音楽でいうと「ドラムセット」の役割であり、リズムとビートによって曲の演奏時間やテンポを調整します。

ただ、テンポが殆ど一定であるポピュラー曲に対して、クラシック曲は頻繁に曲調が変わるため、テンポが複雑です。

そもそもクラシックは具体的な速度が楽譜に表記されておらず、「adagio cantabile – アダージョカンタービレ」のような曖昧な速度曲想表記がされているため、自分達でリズムを創り上げなくてはなりません。

日本語訳するとゆっくりと歌うようにです。めちゃくちゃ曖昧ですね、、

曖昧な表記の中、楽曲を組み上げる土台として指揮者と共にリズムを創り上げる。

これこそが打楽器奏者の役目となります。

打楽器が活躍する曲はリズムが曲の良し悪しを決めるので、責任は重大です。

ちなみに打楽器には主にリズムを形成する楽器もあれば、サウンドエフェクトの役割に近い飛び道具的な打楽器もあります。
前者はスネアドラムやティンパニなど、後者はウィンドチャイムやクラッシュ・シンバル等が当てはまりますが、どちらも重要な打楽器の仲間であることには変わりありません。

クラシックで使われる打楽器 ティンパニ

ティンパニ

ティンパニは半球形の胴体に脚がついた大型の太鼓であり、皮が張られた面をマレットで叩くことで音を鳴らします。太鼓の一つに分類されますが、明確な音程を出せることから打楽器の「王」としても称されることもあります。

なお、音程をチューニングできる珍しい打楽器であることから、単体で使われることは殆どなく、異なる音程のティンパニを奏者の周りに配置することで演奏されます。

楽器に備えられたネジを調整することによって音程を変化させますが、近年のティンパニには「ペダル」がついており、ペダルを踏むことで音程を調整しながら演奏することも可能です。

交響曲や協奏曲といった大規模編成の楽曲に使われることが多く、存在感の強さは打楽器の中でもNO.1といえるでしょう。

クラシックで使われる打楽器 コンサートバスドラム

コンサートバスドラム

コンサートバスドラムは巨大なドラムです。ポピュラー音楽で使われるドラムセットのバスドラム(キック)とは異なり、直径10センチほどの柔らかいヘッドのついたマレットで叩いて演奏します。

オーケストラで使われるバスドラムはとにかくサイズが大きく、32〜40インチのバスドラムが使われることが多いです。ポピュラー音楽用のドラムセットに使われるバスドラムとはまるで違う大きさのバスドラムが使用されることから、クラシックで使われるバスドラムは「コンサートバスドラム」と呼ばれます。

クラシックで使われる打楽器 スネアドラム

スネアドラム 打楽器

スネアドラムは両面に皮が張られた太鼓であり、小太鼓とも呼ばれます。クラシック・ポピュラー・吹奏楽等、あらゆる分野の音楽で使用され、今回紹介する打楽器の中では最もポピュラーな存在といっても過言ではありません。

スネアドラムは英語でスネアと呼ばれる細かいコイル状の金属線が底面に張られていて、表面をスティックで叩くことでスネアが振動します。
また、他の太鼓とは異なり、打面に薄い鼓膜を用いていることも特徴です。厚い皮を張ってしまうとスネアが振動しなくなるため、敢えて薄い膜が使われています。

スネアドラム

尚、スネアドラムはスチール・アルミニウム・チタニウムなど、様々な材質の楽器がラインナップされていて、メーカーによって音色は大きく異なります。

スネアドラムが使われたクラシック曲としてはラヴェル「ボレロ」が有名です。

 

クラシックで使われる打楽器 グロッケンシュピール

グロッケン シュピール

グロッケンシュピールは日本語でいう鉄琴です。金属製の音板がピアノの鍵盤状に配列されており、音程を持つキラキラした音色が響き渡ります。

打楽器の中では非常に存在感が強い楽器であり、ロマン派以降の楽曲においてはグロッケンシュピールが使わる曲は多いです。

音域は2オクターブ半が基本ですが、大きさによっては3オクターブ半の音域を出せる大型のグロッケンシュピールも存在します。

尚、同じ鉄琴でも「ヴィブラフォン」と呼ばれる楽器も存在しますが、コチラはペダル式のダンパー機構がついているものを指します。ヴィブラフォンは電動の力で「音を止める」装置が付いていますが、価格が高価であるうえに重量があるため、あまり浸透はしていません。

クラシックで使われる打楽器 マリンバ

マリンバ 打楽器

マリンバは日本語でいう木琴です。煌びやかな音を奏でるグロッケンシュピールとは異なり、木製ならではの柔らかな音色が広がります。
音域はグロッケンシュピールよりも広い「4オクターブ」が基準。現在では5オクターブ半のマリンバも当たり前のように使用されるようになっており、もはや打楽器の括りを飛び越えてソロ楽器として認識されています。

クラシック 打楽器 マリンバ

両手で4本〜6本のマレットを持ち、自由自在に音を奏でる姿に憧れを抱く人も少なくありません。現在はソロ・マリンバ向けの楽曲も多く作曲されており、遂には国際マリンバコンクールまでも開催されるようになりました。まさに今熱い打楽器の筆頭といえます。

クラシックで使われる打楽器 カスタネット

カスタネット打楽器

小学校の授業でよく使われるカスタネット。

手のひらに収まるサイズの貝型の木片を2枚合わせ、これを打ち合わせることによって音を出します。

簡易的な楽器ではありますが、プロのオーケストラにおいてもしばしば使用される侮りがたい楽器です。

ちなみに学校で使われる青赤2枚の板を紐でくくった楽器はミルハスと呼ばれ、その上位楽器として、共鳴胴に取り付けた木片を交互に叩くことで高速リズムをたたき出す「コンサートカスタネット」という楽器もあります。

カスタネットの語源はギリシャ語で「栗」を表す「カスタネア」という単語らしいですよ

クラシックで使われる打楽器 タンバリン

タンバリン 打楽器

こちらも学校でよく使われた手軽な楽器です。タンバリンは胴に小さなシンバルを付けた小型の太鼓で、皮が張ってあるものと張ってないものがあります。

クラシック音楽では主に皮が張ってあるタンバリンが使用され、チャイコフスキー「くるみ割り人形」から「トレパーク」、ドヴォルザーク/序曲「謝肉祭」など、意外にも数多くの名曲に使われています。

クラシックで使われる打楽器 トライアングル

トライアングル 打楽器

トライアングルはその名の通り「三角形に曲げられた金属の棒」で作られた打楽器です。一変の角にひもを付けて吊し、金属の棒で楽器を叩くことで楽器を振動されます。

音量が出ない楽器と思われがちですが、実は強く叩くことで遠くまで音を届かせることも可能であり、単純な楽器ですがポテンシャルは高いです。

美しく繊細な響きを得られることから、ありとあらゆる曲で出番があります。

クラシックで使われる打楽器 チューブラベル

チューブラベル 打楽器

チューブラベルは鐘を管状にして鍵盤の順番に並べた楽器です。「NHK番組のど自慢」の合否の際に使われることで有名になりました。

音域は楽器の規模によっても異なりますが、一般的なものであれば中央ド(C3)〜1オクターブ上のソ(G4)ほど。全長180cm超える高さがある楽器なので、奏者は立ちながらハンマーでチューブラベルを叩いて演奏します。

クラシックで使われる打楽器 ウィンドチャイム

ウィンドチャイム 打楽器

クラシックの打楽器としてはサウンドエフェクトとして使用されることが多いウィンドチャイム。金属の棒が順に吊るされており、左が一番長く、右が一番短いです。(逆に使うことも多い)

擦るようにグリッサンドすることで「流れ星」のような効果を得ることができ、フレーズの合間や煌びやかな音が欲しい時に使われます。

クラシックで使われる打楽器 木魚

木魚 打楽器

木魚は一見ギャクの為にいるように見えますが、至って真面目に使われている立派な打楽器です。

誰もが知る「ぽくぽくぽく」というシュールな音が鳴りますが、あの柔らかい音色は近代音楽では好まれます。

カッコよく言うと、「テンプル・ブロック」「チャイニーズ・ブロック」とも呼ばれ、単体ではなく複数の木魚をセットにして使われるケースが多いです。

クラシックで使われる打楽器 シンバル

シンバル 打楽器

クラシックで使われるシンバルは同じ形のシンバルを2枚対向させて打ち合わせる「クラッシュシンバル」とスティックでたたくシンバル「サスペンデッド・シンバル」があります。

オーケストラでは「クラッシュシンバル」の方が有名で、擦らせるようにして2つのシンバルを打ち合わせ、大音量を打ち鳴らしたり、繊細な音を操ります。ちょっとした擦り方で表情が変わってしまうので、大雑把に見えて実はかなり高度な技術が必要です。

関連記事:音楽を楽しむなら知っておきたい「シンバル」のこと

クラシックで使われる打楽器 スレイベル

スレイベル 打楽器

スレイベルは別名「そりの鈴」と呼ばれる演奏用の鈴です。木製の棒に金属の鈴を5個〜24個ほど取り付け、それを振ることで煌びやかな音を出します。

クリスマスソングに使われることが多いですが、エルガーの「威風堂々」等、クラシックの有名曲にも使われています。

クラシックで使われる打楽器 ボンゴ

コンガ 打楽器

ボンゴはクラシックのみならず、あらゆるジャンルの音楽で使用される定番パーカッションです。異なる大きさの片面太鼓をつなぎ合わせた楽器であり、元々はキューバでラテン音楽に用いられてきた歴史を持ちます。
大きい方の太鼓をエンブラ、小さい方の太鼓をマッチョと呼び、マッチョの方が高い音でチューニングされることが一般的です。
民族音楽では股に挟んで演奏されますが、クラシックではスタンドに設置して演奏されます。

クラシックで使われる打楽器 コンガ

コンガ 打楽器

コンガはボンゴと同じ樽型の胴の上面に皮が貼られた片面太鼓です。胴の内部は空洞となっており、口径の大きさによってトゥンバラドーラ・セグント・キント・レキントとった名がつけられています。
他の打楽器とは異なり「直接手で叩いて」演奏され、「オープン・オープンスラップ・ベース・ヒール・モフ」といった奏法があります。
単に叩いているだけと思われがちですが、指や手のひらを使って自在に演奏することで、様々なジャンルの音楽に対応できる器用な楽器です。
クラシックではボンゴと一緒に使用されるケースが目立ちます。

クラシックで使われる打楽器 銅鑼

銅鑼 打楽器

銅鑼(どら)は青銅、真鍮、鉄などでできた金属製円盤を専用のスタンドにつるし、バチでたたくことで音を鳴らす打楽器です。明確な音程はありませんが大音量を出すことができるため、大規模の管弦楽曲にてしばしば用いられます。

ちなみに銅鑼には複数の種類があり、クラシックではタムタムと呼ばれる中国系の銅鑼が使われるのが一般的です。

写真の銅鑼はインドネシアで使われているゴングと呼ばれている銅鑼です。

最後に

叩いて音が出るモノであれば、なんでも打楽器になり得ます。コップや皿といった生活用品は勿論、自分の体だって打楽器です。

今回は主にクラシックコンサートで使われる機会の多い打楽器を紹介しましたが、世の中にはまだまだありとあらゆる打楽器が存在します。

是非、この機会に身近に存在する打楽器に興味を持ってみてください。

ヴァイオリン・フルート・トランペット。自分が演奏する楽器と相性の良い打楽器を見つけるのも楽しいと思いますよ?

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