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シャノー型ヴァイオリンとは?その特徴を解説

シャノー型ヴァイオリン

有名なヴァイオリン製作家としてはストラディヴァリやデルジェス、アマティなどが挙げられますが、歴史の中には一風変わったヴァイオリンを製作した作家も存在します。
今回紹介したいのはフランソワ・シャノーによって考案された「シャノー型 ヴァイオリン」です。
400年変わらずに進化し続けてきたヴァイオリンの形に一石を投じた実験的作品であり、ユニークな特徴を持ちます。

目次

シャノー型 ヴァイオリンとは?

シャノー型ヴァイオリンはフランスの海軍士官であったフランソワ・シャノーによって考案されたユニークなヴァイオリンです。400年変わらずに進化し続けてきたヴァイオリンの形に現代的な解釈を加え、楽器の更なる改良を目指して製作されました。デザインの特徴はルネサンス〜バロック期にかけて作られた瓢箪型の楽器がモチーフとなっていること。ふくよかなフォルムを持ち、従来の形状と比較しても問題ない音響構造を備えます。

シャノー型ヴァイオリン

こちらは1820年頃に製作された「8の字型」のヴァイオリン。典型的なシャノー型ヴァイオリンです。
f字孔の形が三日月形になっており、テールピースではなくギターのブリッジのようなパーツが備えられています。弦の数は通常の形状と同じ4本。f字型の響孔を棒状に替えるといった工夫が施されており、従来のヴァイオリンとは異なる意匠を持ち合わせます。

渦巻きの向きが逆

シャノー型ヴァイオリンの大きな特徴として渦巻きが逆になっていることが挙げられます。表板側ではなく裏板側に渦巻きが向かっており、従来の形からすると違和感を感じるデザインになっています。

シャノー型ヴァイオリン

渦巻きの向きを変えても音質的にはあまり違いは生じませんが、ヴァイオリン特有の美しい渦巻きを見えない位置に配置してしまうのは少し残念です。ケースも独自のモノが必要となるため、使い勝手が良いとは言えないでしょう。

楽器としての評価

シャノー型ヴァイオリンは実験的な楽器としては音質的に高い評価を得ました。ただ、既に完成されている従来のデザインと比較すると音の減衰が激しく、プロの奏者には浸透しなかったようです。
現在でも中国を中心にシャノー型のヴァイオリンを製作する作家がいるので、気になる方は一度お手に取って演奏してみてはいかがでしょうか?明るく軽快な音色が鳴ると言われており、価格もそこまで高くありません。

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この記事を書いた人

可愛いモノや綺麗なモノが好きなアマチュアヴァイオリン製作家。優れたヴァイオリンを一本でも多く作ることを目標に活動中です。
製作工程や音楽に関する記事を更新しています。

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