【ヴァイオリン製作】ネックの作り方6 ナットとネック裏の成形

ヴァイオリン製作 ネック

長くに渡って製作してきたネック製作も今回がラストです。

最後は指板の上の配置する「ナット」の製作と「ネック裏の成形」を行います。

ネックができればいよいよボディとネックの接着へと入るので、張り切って今回も作っていきましょう!

ナットの作り方

指板の真上にはナットが取り付けられるので、この時点で大雑把にナットを作ります。

ヴァイオリン製作 ナット

ちなみにナットはこの部分のことを指します。弦が引っかかる箇所ですね。

ナットの具体的な作り方

ヴァイオリン製作 ナット

まずは指板と同じ黒檀の端材を指板のナット側の長さにカットします。この際に完成系よりも1mm〜2mm程度幅をもたせておくのがポイントです。

ヴァイオリン製作 ナット

ナットは細かなパーツですので削るにはコツが入ります。オススメなのは膝にカンナを乗せ、木の板を指で操作してナットを押し出しながら削ることです。こればかりは実際作業してみないとイメージがつきにくいと思います。

ヴァイオリン製作 ナット

ひとまずネック木材と接着する面と指板と接する面の2面をフラットにします。細かなパーツゆえにフラットにするのが難しいですが、頑張って平らにしましょう。

2面ともフラットにできたら、ペグボックス側及び上部も削ります。ペグボックス側はベクボックスに自然と繋がるように削り、上側は指板の厚みプラス1mm程度を残して削ります。

ヴァイオリン製作 ナット

完成イメージはこのような感じ。厳密に整えるのは少し先ですので、ある程度近づけたら作業を終えて大丈夫です。

2面は完璧にフラット。残る2面もある程度整え終えたら瞬間接着剤にて仮接着します。この際べっとり接着するとニス塗りの時に大変なので、ちょこっとつければOKです。

ネック裏の作り方

ここからはネックの最終工程「ネック裏の成形」を行います。これまでの作業に比べると豪快な作業となりますが、調子に乗って削りすぎることは避けなくてはなりません。

工程1.ネック底面の台形パーツに線を書き込む

まずはネックの底面に完成サイズに切り落とすための線を書き込みます。

ヴァイオリン製作 ネック裏

写真は指板を接着したネックの接着面(ボディにつく面)です。今回は一番下の線の上に点を打ちます。

打つ点は中心線を真ん中に直径21mm(半径10.5mm)の右端及び左端です。

ヴァイオリン製作 ネック裏

点を打ち終えたら、打った点を経由するように指板の両端から定規で直線を引きます。角まで引き終えたら、スコヤを当てて、まっすぐ側面に線を繋げましょう。

ヴァイオリン製作 ネック裏

ネック底面は平行になっていると思うので、スコヤを正確に当てれば綺麗な直線が引けるはずです。

工程2.ネックサイドの余分な木材を落とす

ヴァイオリン製作 ネック裏

クランプでネックを挟んだら、ペグ付近を切り込んだ時と同じく余分な部分を切り落とします。工程としては、まず指板を切らない程度に等間隔に刻みを入れます。

ヴァイオリン製作 ネック裏

先ほど書き込みを入れたネックの底面に関しても、線近くまで切り込みを入れておきましょう。

ヴァイオリン製作 ネック裏

両面ノコギリで切り込みを入れた状態がコチラ。ペグ周辺を削り落とした時と全く一緒です。

ヴァイオリン製作 ネック裏

切り込みを入れたら、小さなノミで余分な部分の木材を「掌底打ち」にて破壊していきます。細かな部分は少しづつ削り、最終的に両面ともに線まで落とします。

ヴァイオリン製作 ネック裏

両面を線まで落としたら、写真のようにネックをバイスに挟んで、落としきれなかった部分を丸ノミで綺麗に整えます。この際に指板を傷つけないように革などを挟むことがポイントです。

ヴァイオリン製作 ネック裏

ある程度のところまで整ったらノコギリ&ノミでの工程は終了。次はカンナでの作業に移ります。

工程3.カンナでネック底面を台形の形に整える

余分な木材を落とし終えたら、今度はカンナで底面を台形の形に綺麗に整えます。最初に書き入れた線通りに完璧に側面をフラットにするわけですが「台形の形」に整えるため、意外にも綺麗にフラットにすることが難しいです。

ヴァイオリン製作 ネック裏

オススメのフォームは太ももでネックを固定し、写真のような角度からカンナをかけます。

なお、台形部分をフラットにするために細い部分の側面も少しづつ削る必要があり、全体的に整えながら台形に削っていくことがポイントです。

ヴァイオリン製作 ネック裏

試行錯誤の末、台形の形かつ側面がフラットの状態にうまく整いました。台形部分の下半分はこのままボディと接着しますので、ネックが完成するまでは傷つけないように注意して扱いましょう。

工程4.ヤスリでネック裏を整える

台形部分も完成させたら、最後にネック裏をヤスリで整えます。

ヴァイオリン製作 ネック裏

作業的には特に難しい箇所があるわけではありません。参考書や実物を参考に、綺麗にネック裏の形に整えていけばOKです。

一気に削りたい部分は粗いヤスリ・カーブ部分は丸いヤスリ・指板ギリギリの箇所や細かく整えたい箇所は目が細かいヤスリを使うなどしてうまく整えましょう。

ヴァイオリン製作 ネック裏

完成系を目指していくと、徐々にネック裏が丸くなっていきます。最終的には写真のように指を引っ掛ける部分付近が18.0mm〜18.5mm。台形部分のカーブの終着点付近が19.5mm〜20.0mmになるように調整します。

また、側面から見たときにネック裏が弧を描くのではなく、真っ直ぐに整えることもポイントです。

ヴァイオリン製作 ネック裏

ある程度削れてたらナット部分のはみ出した部分をネックの形に合わせて整えます。削るイメージとしては指板・ネックの木材部分・ナットが一体化するようなイメージです。

ヴァイオリン製作 ネック裏

ナット側面を削った後は指を引っ掛ける部分をナイフで削ります。ポイントは指がうまく引っかかるようにカーーブを作ることです。奏者が指をかける部分がカクカクしているとフィット感が薄れてしまうので滑らかになるように注意しながら削ります。

最初のペグ穴付近からナット方向に削っていけば良い形になりやすいです。

ヴァイオリン製作 ネック裏

ほぼ見本と同じような形に整えばネック裏の成形は終了。ちなみに、この時点では完璧でなくても大丈夫です。

最終調整はボディとネックを接着した後に行いますので。

まとめ

ナットとネック裏の成形を終えたところで、遂にネックが完成しました。(とりあえず)

次はボディのエッジをヤスリで整えた後、ボディとネックを接着します。ボディとネックを接着した時点でほぼ白木ヴァイオリンの完成ですので、遂にゴールが近づいてきたといえます。

どのようにボディとネックが接着されるか気になる方は次回の記事もぜひご覧くださいませ。

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