弦楽器製作に使う木材とは?その選び方について

ヴァイオリン製作 木材 選び方

ヴァイオリン製作には専用の木材が必要です。

木であれば何でも楽器に出来ると思われがちですが、音を奏でる楽器を作り上げるには何十年と乾燥させた良質な木材が必須です。

この記事ではヴァイオリン製作に使われる木材がどのようなモノなのかを紹介いたします。

目次

弦楽器製作に使用する木材

弦楽器製作用も木材はどこにでも売っているわけではなく、国内に数件しかない材料店や海外通販・海外買い付けをすることになります。私はどこで買っているのかというと、都内にある弦楽器製作者御用達のお店にて購入しています。
この手のお店は一見さんが入りづらい雰囲気があるため、最初は先生や師匠と一緒に訪れるのがオススメです。

弦楽器製作に必要な木材

ヴァイオリン製作 木材

弦楽器製作を始めるにあたり、必要となるのは上記の4点セットです。それぞれ左から「裏板」「ネック」「表板」「横板」となっています。単品で買うこともセットで買うこともできますが、基本的には割引が効くセットでの購入がオススメです。

価格に関しては4点セットで「約3万〜4万」ほどの材料費となります。
高いと思うか安いと思うかはその人次第が、安い材料は安いなりの理由があるので、この価格を一つの基準としてみてください。

木材を選ぶ順序・条件

木材のセット販売はセット内容が予め決まっているわけではありません。
自分で無数にある木材からそれぞれ一つを選びます。同じ店でセットで買うと割引が効くというセット割だと思ってください。
なお、木材はどれを選んでも良いわけではありません。専門店とはいえども、製作に不向きな木材も少なからず存在します。
ここでは木材を選ぶ順序と条件を紹介します。

1.裏板を選ぶ

ヴァイオリン製作 裏板

まず最初に選ぶのは裏板。基本的には好きな杢目のものを選びます。杢目はヴァイオリンの美観に大きく関わるので、作りたい楽器のイメージに合わせて選びましょう。

ヴァイオリン製作 裏板


裏板はカンナで削っていくと杢目がくっきりと浮かんできます。最初はイメージしづらいと思いますが、杢目の太さ・向きがどのように浮かび上がってくるか想像してみてください。

なお、選ぶ際の注意点ですが、木材に「ヒビ」が入っているものを選ぶのはやめましょう。
これらの木材は削ったときに問題が起こりやすく、敬遠したほうが無難です。

また、もう一つの注意点は「節」に注意することです。
「節」とは枝の生えていた部分のことで、削ったときに「節」が「死に節」と呼ばれるものだった場合に「空洞」になる恐れがあります。なので「節」がある木材も回避推奨です。


更にこだわる場合は材質の密度にも目を向けると良いでしょう。
木材の「硬い」「柔らかい」によって削りやすさや音の質感は変わるので、音に関する完成イメージによっても選ぶ木材は変わります。

ヴァイオリン製作 裏板

ちなみに裏板は割れ目が入っているので「パキっ」と2つに分割できます。割れ目が入っていない木材は自分でのこぎりで分割しないといけないので大変です。

なお、剥合わせしない1枚板に関しては2枚板よりも値段が高くなります。

2.選んだ裏板に合わせてネックと横板を選ぶ。

ヴァイオリン製作 ネック

次に選ぶのはネックです。こちらも裏板を選んだ要領で選びます。状態が悪い木材を回避して、あとはいかに「裏板」の柄に近いものを選ぶかが重要です。
杢目の向きや太さを気にしておかないと統一感のない楽器になってしまうので、慎重に選ぶ必要があります。

ヴァイオリン製作 横板

横板も同様に選びます。
ヴァイオリンは楽器であると同時に美術品でもありますので、作品として見た目の統一感はとても重要なのです。
ちなみに余りにも厚かったり薄かったり、幅が狭かったりすると作業が難しくなるので、厚みと幅もチェックしておくと良いと思います。

3.表板を選ぶ。

ヴァイオリン 表板 材料

最後に選ぶのは表板です。材料店によって取り扱う木材は大きく異なりますが、可能な限り高品質な材を買った方が質の良い楽器ができます。
材質は軽くて響きが良い「スプルース」。ギター・ピアノ・弦楽器類といった楽器に幅広く使用されているので、名前を覚えておくと良いです。
なお、表板は輸入時点で選定されており、基本的には状態のよい木材が店頭に並びます。裏板ほど選ぶ難しさはありません。

まとめ

弦楽器製作に使う木材は「表板」「裏板」「横板」「ネック」の4つです。4点セットで約3万〜4万の材料費となります。更に上のグレードもあれば、下のグレードもあるので、様々な木材を試してみたいところではあります。

また、木材の選定は素人にはなかなか難しく、中身に至っては切ったり削ったりしないと状態がわからないので、外見だけでは完璧な選定は厳しいです。

多くのヴァイオリンを製作・修理するうちにベストな木材を選ぶ力がつくといわれていますが、その域に達するためには日々製作と向き合う必要があります。

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この記事を書いた人

可愛いモノや綺麗なモノが好きなアマチュアヴァイオリン製作家。優れたヴァイオリンを一本でも多く作ることを目標に活動中です。
製作工程や音楽に関する記事を更新しています。

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