2019年4月より 日本バイオリン製作研究会に所属することになりました。

ファゴットについて最低限知っておきたいこと

オーケストラ ファゴット

あまり音楽に興味の無い方にとっては馴染みの薄いファゴット。

ファゴットは低音を奏でる木管楽器であり、オーケストラでは縁の下の力持ちとして存在感を発揮する楽器です。英語での名称は「バスーン」とも呼ばれ、英語圏ではクラシック以外のジャンルのおいてはコチラの名称が多く使われます。

今回はファゴットがどんな楽器で、どのように使えばよいのかをザックリと説明しますので、音楽に興味がある方は是非ご一読くださいませ。

ファゴットの音って意外とパッと浮かばないですよね〜

ファゴットってどんな楽器?

ファゴットは135cm前後の細長い管を持ち抱えるようにして吹く楽器です。ボディの色は赤みを帯びた濃いブラウンのモノが多く、外観はクラシカルな雰囲気に溢れています。

ファゴット バスーン

大型楽器であるファゴットは4つの管(ベルジョイント・ロングジョイント・テナージョイント・ダブルジョイント)を結合して組み立てることが特徴的です。また、外観からは分かりませんが、長い管を二つ折りにした構造楽器なので真の「管の長さ」は260cmにも及びます。

ファゴットっていつからあるの?

ファゴットがいつ生まれたのかは定かではありませんが、先祖といえる楽器は16世紀くらいには既に存在していたといわれています。

18世紀半ばに現在のファゴットに近い「6つのキイ」を備えた楽器が登場してからは、クラシック音楽の定番楽器として徐々に定着していったようです。

ちなみにファゴットにはドイツ式とフランス式の2種類が存在します。

 

ドイツ式(ヘッケル式)・・19世紀前半にドイツの軍楽隊長のカール・アルメンレーダーによって改良されたファゴットがルーツ。楽器製作家のヨハン・アダム・ヘッケルが製作を引き継ぎ、仕様を確立しました。

従来のファゴットよりも音程のコントロールが容易となっており、音量がも大きくなっています。

フランス式・・アルメンレーダーとヘッケルによって改良される前のファゴットの形を継承したものがフランス式です。「バッソン」と呼ばれることが大半で、現在はファゴットとは別の楽器として扱われています。

現代において使われるのは殆どドイツ式となっていて、フランス式はほど使われません。

ファゴットの音域と音色

ファゴットは木管楽器の基本4種(フルート・オーボエ・クラリネット・ファゴット)の1つで、最低音域を担当する楽器です。

オーボエと同じ2枚のリードを使用するダブルリード楽器であり、歯切れのよい持続音を出すことができます。

音色的は明るさと渋さを両立させた独特な雰囲気があり、主に室内楽・オーケストラといったクラシック分野、吹奏楽といったジャンルで活躍します。

ファゴット バスーン

音域は中央ド(C4)の2オクターヴ下のド(C2)のすぐ下のシ♭(B♭1)を最低音とし、そこから3オクターヴ強〜4オクターヴ弱に及ぶ広範囲です。

中低音を担当する楽器はホルンやトロンボーンなど、他にも多数存在しますが、ファゴットは木管楽器の低音担当というキャラクターから「柔らかく艶やかで愉快な音色」という個性を持ちます。

低音楽器に力強く図太いというイメージを持つ方は多いですが、ファゴットに関してはそのイメージは少し違います。

特有の艶感からソロ適正も強く、低音でありながらも明るい音色を出すため、ファゴットを入れるとガラッと曲の雰囲気が変わります。

ファゴットはどんな曲に使われるの?

ファゴットは擬音で表現すると、「ポー」「ポコポコ」「ブフォッ」「ブッフォッブッフォッ」といった若干マヌケな音を出すのが特徴です。

この音色感を最大限に発揮させる「コミカルな曲」にファゴットを取り入れるのが定番の使い方といえます。

ファゴット バスーン

劇や映画のコミカルなシーンにファゴットは多く用いられ、ゲーム曲においては洞窟やダンジョンのBGMとして使われるのをよく耳にします。

華やかな音色とはいえないため地味ではありますが、唯一無二の存在感があるので、案外クセになる音色です。

オーケストラ等の大型編成で使用される場合はこの個性は薄れますが、低音楽器として楽曲に豊かさを与えます。ただ、バンド系の楽器や電子楽器との相性はそこまで高くないので、主にアコースティック楽器メインの曲で活躍する楽器と思って良いでしょう。

木管楽器の中では特に音色に個性がある楽器です。

楽器の特性1.分散和音が得意!

ファゴットは音の立ち上がりが早いため、分散和音(アルペジオ)に向いています。歯切れよく「ポコポコ」音を鳴らすことで、曲に個性を与えるわけです。
大きな音の跳躍も得意なので、オープンボイッシングのアルペジオにも頻繁に利用されます。

楽器の特性2.低音を弱く吹くこと・高音を強く吹くことは苦手

ファゴットは楽器の特性上、低音を弱く吹くことが苦手です。また、高音域に関しては逆に強い音を出すのが難しいという特性を持ち合わせます。

ちなみに、これはファゴットだけでなく、ダブルリード楽器の鉄則ですので、是非覚えておきましょう。

派生楽器-コントラファゴット

ファゴット奏者の持ち替え楽器として、コントラファゴット(ダブルバスーン)という楽器が存在します。

コントラファゴット

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/コントラファゴット

この楽器はファゴットより1オクターブ低い音域を担当する楽器であり、見た目は4回管を折り曲げる設計から、かなり巨大です。

小規模な編成の音楽で使われることは殆どなく、中規模以上のオーケストラの編成で用いられるます。

ちなみに音が非常に低音であることから、譜面に記譜されている音よりも1オクターブ下の音が実音として鳴ります。

重いので長時間演奏すると疲れるみたいですよ、、

ファゴットの音色を聴いてみましょう

V.ズッキアッティ「C.M.v ウェーバー: ファゴット協奏曲」

ドビュッシー 亜麻色の髪の乙女 ファゴット・ハープ

ロッシーニ ファゴット協奏曲

最後に

木管楽器の最低音域を担当するファゴットは艶やかな低音と脱力系のユニークな音を出す個性的な楽器です。決してどんなジャンルでも使える万能楽器ではありませんが、特定のシーンにおいてはその力をふんだんに発揮してくれます。

オーケストラ編成の時は低音楽器として楽曲の低音を力強く支えているので、よく耳をすませて、ファゴットの音を探し出してみてください。

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