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日本バイオリン製作研究会 第17回作品展示会を終えて

ヴァイオリン製作

日本バイオリン製作研究会 第17回作品展示会を無事終えることができました。

当初は駆け出し製作者の楽器を試奏してくれる人なんているのだろうかと不安に思っていましたが、予想に反し、両日共にたくさんの方に試奏していただけました。

この機会をお借りし、感謝申し上げます。

第17回作品展示会 出展楽器 ストラド ベッツモデル

今回初めての展示会に出展した楽器はストラディヴァリが1704年に製作した「ベッツ」という名のモデルのコピーです。

コピーとはいえど、ところどころ寸法が変わったり、厚みが違ったりするため、いつの間にか自分カラーの楽器になってしまうわけですが、なんとか完成に漕ぎ着けることができました。

土屋貴寛 ヴァイオリン

ニスはオイルニスを使用。ペグ・テールピース・顎当ては柘植です。弦は全弦ドミナント、全体的にオレンジ系の明るい色味に仕上がっています。

細部まで覘くと一本目らしい粗がかなり目立ちますが、全体をぼやっと見渡すと割と素敵です。

土屋貴寛 ヴァイオリン

裏板は2枚板の杢目は中幅よりもやや細めの太さで下方向に伸びています。

色むらは少しできてしまったのと、最後の透明ニスが厚塗りになってしまったことは反省点ですが、表板同様に遠目から見ると気になりません。

ただ、先輩方の作品と比較すると全然粗いので、これは当面の課題です。

土屋貴寛 ヴァイオリン

横面から見るとこのような感じです。スクロールは割と上手くいきました。横板も大きな問題はなく、ニスも綺麗に塗れたのでよかったです。

アーチも最終的には綺麗な膨らみができました。

ただ、ネックとボディの接着面のニスが厚塗りになってしまったこと、ニス塗り後にネックを触りすぎて少し色味が変わってしまったことは反省点です。

音に関しての評価

と、木工的な部分では始めてながら上手くいった部分と全然ダメな部分が点在する形となりましたが、音に関しての評価はどうだったかというと。。

ありがたいことに、多くの高評価をいただきました!

これは素晴らしい先生の教えのおかげなのですが、本当に嬉しかったです。

土屋貴寛 ヴァイオリン

 

なお、試奏していただいた方から頂いた感想は以下の通りです。

・新作ヴァイオリンらしく、弾きやすく、よく鳴る。

・全体的にバランスがよく弾きやすい。

・G線が弾きやすい。

A線、E線の音の伸びがいい!

細部の仕上げについてはツッコミたい部分があったと思いますが、音に関しては嬉しいお言葉をいただけました。

実際にミニコンサートにてプロの奏者に演奏していただきましたが、自分の耳で聴いても高音の伸びはいい感じだったと思います。

プロの製作者の方からも褒めていただき、まだまだ自分だけでは仕上げられない未熟者ながらも嬉しかったです。

ヴァイオリン製作 展示会 アカデミーホール

ギリギリでの出展となった上に1本目からこのような場に参加することには正直不安でしたが、出展したことは自分にとって間違いなくプラスになりました。

他の製作者さんとも交流することができ、本当によかったです。

「次の作品も楽しみにしてます」と声もかけていただけ、俄然頑張ろうという気持ちが高まりました。

最後に

展示会デビューとなった日本バイオリン製作研究会 第17回作品展示会。

無謀にも1本目から展示会に参加することにしたわけですが、その分収穫も大きかったです。

今後も少しでも先輩方に近づけるよう頑張っていきたいと思いますので、応援の方何卒よろしくお願いしたします。

また、ブログを見て展示会に来ていただいた方々、いつもお世話になっている先生。

この度は本当にありがとうございました。

8 COMMENTS

taK

5月18日、作品展示会で高屋様のバイオリンを試奏させていただきました!
高音が印象的で、とても良く、感激しました。ありがとうございました。
私は趣味レベルのバイオリン弾きで、まだまだですが、
ゲーム等の演奏が好きなので、またお話できる機会がありましたら
よろしくお願いいたします。

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高屋 千尋

taK様
先日はご試奏ありがとうございました!
初めての出展だったため不安でしたが、気に入っていただき嬉しいです。
まだまだ未熟者ですが、次作も気に入ってもらえるヴァイオリンを作れるように頑張ります。

私もゲーム曲は大好きなので、またお話したいです。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。

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関場大一郎

アマチュアとしてクラシック・ギターを作っています。ギターも表面はスプルース、裏・横はハード・メイプルという組合わせは伝統的によくあります。試しに裏板だけヴァイオリオン族のように厚い板からアーチに削ってみようと思っています。まだ材料しか入手していないのですが、高屋さんのウェブを発見して熟読させていただいております。最初はメイプルをアーチにする方法を勉強したかったのですが、バスバーの章からも思わぬインスピレーションを与えていただきました。さて、最初の粗削りのところで丸い刃のノミでガツガツ削っていっていますが、ネットで購入しようと思うと鋼が外側のタイプや内側のタイプ、幅などいろいろありまして、どれを選べばいいのかよく分かりません。値段が高いのでなるべくオールマイティーなものがほしいのですが、やはりいろいろ買って使い分けるものなのでしょうか?始めの一歩でおすすめのものがありましたらおしえてください。豆かんな、スクレイパーなどはギータでも使うので大体分かります。ギターは厚くて硬い板は使わないのでやはりノミのことがどうしてもセンスがありません。よろしくお願いいたします。

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高屋 千尋

コメントありがとうございます。
クラシックギターを作られているのですね!ギターの作り方は全然わからないのですが、ヴァイオリンとは違った難しさがある気がします。

ノミに関してですが、丸み幅の広さが違うものを複数揃えています。人によって使うノミは異なりますが、私は現在8本の丸ノミを持っていて、それを使い分けています。
オールマイティーなものがあればいいんですけど、最低幅広、幅狭(U字にちかいもの)、その間の3本くらいあったほうが作業はしやすい気がします。
鋼に関しては内側に鋼のタイプ「内丸ノミ」を買えば良いかと思います。

なお、私が持っているノミはイタリアから取り寄せたものなので、日本の丸ノミは使ったことがないです。ただ、基本的な使い方は同じだと思うので、3本くらい幅や丸みが異なるノミを買って、あとは作業をしながら必要なものを買い揃えるのがベストかもしれません。

ノミに限らず、楽器製作で使う道具はどれも高いので揃えるのが大変ですよね、、。突き詰めれば何本も何本も欲しくなるので、悩ましい所です。

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関場大一郎

丁寧に教えていただきありがとうございました。冬になると猫がやってきてPCの上でゴロンゴロンとするのでなかなかお返事ができませんでした。

8本もお使いなのですね!プロとしては少ない方なのかもしれませんが。高いものだと1本1万円くらいで「うーん。。」と悩んでしまいましたが、根気強く探すとエスコなど、普段金属加工などで工具の会社でいろいろな幅のものを手頃な値段で取り揃えていました。2、3本買ってみようかと思います。

ギターの材料や工具は米国からネットで買うことが多かったので最初はgoogleで”violin chisel”で海外も含めて検索しました。クレモナのショップでヒットしたので期待が高まったのですが、売っていたのは”Japanese chisel”となていて日本のものばかりでした(笑)。隣の芝は青く見えるのでしょうか。。私はノコギリ以外はだいたい西洋タイプを使っています。微調整やメンテが楽なので。

菊田浩さんという方の製作動画がyoutubeにあって、参考にしているのですが、中心線に向かって垂直に、外から内側に向けてノミを入れていました。テール(バイオリンのおしりの方)は縁から中心に山を登るように削っても良さそうに思いましたがそうはしないのですね。ブックマッチの板なので左右で逆目になってしまうのを避けるには合理的なのかなと思いましたが。菊田さんのスクレーパーの動画もあって、スクレーパーはいろんな方向にかけていたのでやはりポリシーというよりは木目の問題なのかなと思いましたが実際のところはどうなのでしょうか?

体調を崩されているところ申し訳ありません。
お元気になられたときにでもお返事いただけますと幸いです。

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高屋 千尋

猫!かわいいですね〜。犬と猫なら断然猫派なので羨ましいです。

高価なモノは本当に高価ですが、高ければいいわけでもないので、手頃な価格のノミで問題ないと思いますよ。
クレモナのショップはなんとなく期待してしまいますが、良くも悪くも「イタリア」のショップですね(笑)
不具合があってもメール通じないですし、欠品もあったりするので結構リスクがあるように思います。

ポリシーというよりは木目の問題という認識で正しいと思います。
また、縁から山を登るように削ると、アーチが低くなってしまう部分ができる可能性が高くなるため、リスク防止とも考えられます。
製作を習う方の大半は、あのやり方で学ぶのでしょう。(正直私もそういうもの!くらいにしか思っていなかったり)

なお、スクレーパーをいろんな方向にかけるのは木目の問題です。方向を考えないと捲れますね。

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関場大一郎

連投ですみません。
エスコのノミ、スイス製でした。
アマゾンで買えるようなので20mm、14mm、10mmを買ってみようかと。
ギターはとにかく大きいので20mmだけしか使わない気もしますが。

ギターの不思議なところは、音楽業界の新参者で、これがギターだという定義が定まっていないところです。作った人がギターだと主張すればそれはギターということになります(笑)。

バイオリン族によく似た、f 字の穴の開いて、テールピースを使うギターも1つのジャンルとして確立しています。「アーチトップギター」と呼ばれています。基本的にはアンプに繋いで使うエレキ・アコースティック(エレアコ)になります。ジャズとかブルース(ブルーズ?)などでよく使われています。

アーチトップギターの作り方の本も出ており、大変面白いのですが、裏板の作り方についてはほとんど参考になりません。作りたい形の等高線に沿って所定の深さまでドリルで掘り、あとは穴をつなぐように手持ちのサンダーで削る、というものです。ザ・アメリカンな感じで合理的ですがあまりロマンチックではないですね(笑)。でもメイプルは本当に硬いので、ギターくらいの大きさになると荒削りは電動工具を使うのが体には良いかもしれません。最後は作るのが好きなのか、いい音を作りたいのかという目的というか哲学的な問題になってしまうのですが。

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高屋 千尋

*返信遅れてすみませんでした*

その三種類があれば良さそうですね。
ギター製作は縁がないので、なんとなくな回答になってしまいますが^^:

しかし、ギターは何が正解なのかわからないので、作られている方はすごいなと思います!
厳密な理論と数値のあるヴァイオリンに対して自由な世界ですもんね。
私は自由すぎると何していいかわからなくなってしまうので、難しく感じます。

アーチトップギターはお洒落だしカッコいいですよね。確かにジャズでよく使われているイメージです。
マニュアルがないのは大変そうです。手持ちのサンダーで削るとか不安しかないですよ(笑)

ただ単に作るのを楽しむのも良さそうですが、どうせならいい音を作るのを目標とするのも悪くない気がします。
せっかく家具ではなく楽器を作っているのですから、やはりロマンを追求したほうが人生楽しそうです!

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